依頼内容

娘のために、安産祈願をしようと思います。お参りするところを探していたところ、「隠れウサギを見つけたらご利益がある神社」を耳にしました。娘と産まれてくる孫のために、おばあちゃんはがんばって隠れウサギを見つけます!探偵さん、その神社はどこにあるのか調べてください!

「隠れウサギ」とは気になる依頼です。しかも今年は卯年!探偵たちもぜひ隠れウサギを見つけて、「今年も読者の皆さまに良い記事をお届けできますように」とお参りしたいです!調べたところ、滋賀県大津市にある「三尾(みお)神社」に隠れウサギがいるとのこと。さっそく行ってみることにしました。

京阪電鉄三井寺駅から徒歩10分の三尾神社に到着
京阪電鉄三井寺駅から徒歩10分の三尾神社に到着

参道を進み、まずは手水舎(ちょうずや)に立ち寄りました。手を清めようとふと見ると、大きな口をあけたウサギがいました!吐水口には水の守り神といわれる龍が使われていることが多いですが、さすが隠れウサギがいる神社、手水もウサギです。

さっそく、手水舎でウサギがお出迎え!
さっそく、手水舎でウサギがお出迎え!

境内にはいろんなところにウサギがいます。柱のたもと、ちょうちんの絵……。拝殿前には2羽の夫婦ウサギが仲良く並んでいます。丸っこい姿とつぶらな赤い目がかわいい!ウサギが描かれた巨大な絵馬もありますね。

写真左上:柱のたもとにたたずむウサギ、写真右上:ウサギ印のちょうちん、写真左下:親子ウサギの巨大絵馬、写真右下:仲良く並ぶ夫婦ウサギ
写真左上:柱のたもとにたたずむウサギ、写真右上:ウサギ印のちょうちん、写真左下:親子ウサギの巨大絵馬、写真右下:仲良く並ぶ夫婦ウサギ

それにしても、なぜこんなに多くのウサギがいるの?本殿に近づくと、宮司の伊東さんが声をかけてくれました。「あちこちにウサギがいるでしょう?ここ三尾神社では、ウサギを神様の使いとしています」。

にこやかな笑顔で迎えてくれた、宮司の伊東さん
にこやかな笑顔で迎えてくれた、宮司の伊東さん

ウサギは神様とどういう関係があるのでしょうか?伊東さんに三尾神社の歴史を教えてもらいました。

三尾神社の御祭神は伊弉諾尊(イザナギノミコト)。
イザナギノミコトは3本の腰帯をつけてこの地に降り立ちました。その腰帯が、3本の尾に似ていたため、この地で「三尾明神」と呼ばれることになり、三尾神社の名前の由来になったそうです。

「あるとき、3本の腰帯が、それぞれ赤尾神(あかおかみ)、黒尾神(くろおかみ)、白尾神(しろおかみ)という三神に変わります。この三神のうち本神(おおかみ)である赤尾神が、卯の年、卯の月、卯の日、卯の刻に、卯の方角から現れてこの地を治められた、という言い伝えから、卯(ウサギ)が神の使いとされるようになりました」。それで境内には多くのウサギがいるんですね!

「ウサギは神の使い。大切な存在です」と伊東さん
「ウサギは神の使い。大切な存在です」と伊東さん

隠れウサギを見つけるとご利益があると聞きました。ここに来るまでにたくさんのウサギと会いましたが、その中にいたのでしょうか?「いえいえ、そんなわかりやすいところには、隠れていません(笑)。隠れウサギは、全部で5羽、とても見つけにくい場所にいますよ。すべてのウサギにお参りしていただけたら、ウサギたちもうれしいと思いますし、良い年になるかもしれませんね。ぜひ見つけて帰ってください」。

「まずは本殿を正面から見てみましょう」と伊東さんにヒントを授けてもらい、いざ隠れウサギ探しスタート!

う~ん、どこにいるのでしょう。さすが隠れウサギ、なかなか見つかりません。まさかお賽銭箱の中にはいないですよね?

正面の、屋根の部分に注目
正面の、屋根の部分に注目

本殿を下から上へと見ていくと……あっ、あそこに!屋根を飾る破風(はふ)にウサギを見つけました!

本殿の屋根を飾る破風に耳をピンと立てたウサギがいます
本殿の屋根を飾る破風に耳をピンと立てたウサギがいます

1羽めの隠れウサギを見つけました。さあ次は?

「2羽めを探すには、境内の少し奥に進んでいきましょうか」と伊東さん。境内の奥には、本殿をグルッと囲む塀瓦(へいがわら)があります。見わたしていると、あっ、いました!

屋根から参拝客を見守るウサギたち
屋根から参拝客を見守るウサギたち

「次は、本殿の裏にいますよ。隅から隅まで探してくださいね」と、伊東さんに続いてのヒントをもらう探偵たち。

あっちの柱の陰、こっちの屋根の上、と探しますが、なかなか3羽めが見つかりません。ひとまず休憩を、と空を見上げると……、なんといました!門の上に座って、顔だけこちらを向いている「見返りウサギ」です!

まるで鳥のように門の上にたたずむ見返りウサギ。振り返った先で見ているものは……
まるで鳥のように門の上にたたずむ見返りウサギ。振り返った先で見ているものは……

さて、3羽の隠れウサギを見つけました。残りの隠れウサギは……、炎の探偵社でご紹介するのはここまで!ぜひご自身の目で見つけてくださいね!ヒントは、「ウサギはウサギの奥にいる」です。2羽とも仲良く近い場所にいますよ。

隠れウサギ探しを楽しんだところで、依頼にもあった安産のご利益についてうかがいました。「ウサギは子だくさんということもあり、安産にもご利益があるといわれています。三尾神社では、十二日に一度めぐってくる卯の日のことを『卯の日参り』と呼んでいて、参拝される方も多いんですよ。ぜひ、安産祈願に訪れてください」。

また、令和5年には「卯年参り」と名をかえて、特別な御朱印や、特大お守りの「家守り」を用意しているとのことです。「卯年参り」の「卯の日参り」は、とっても縁起が良さそうですね。

写真左:12色のウサギの印を押した令和5年版の御朱印、写真右:家守りは、通常のお守りの10倍くらいの大きさ
写真左:12色のウサギの印を押した令和5年版の御朱印、写真右:家守りは、通常のお守りの10倍くらいの大きさ

さらに伊東さんは続けます。「卯は太陽が昇る東の方角、卯の刻は日の出の時間帯で、一日が動き出す『はじまり』にあたります。今年は何かをはじめるにはうってつけの年といえるでしょう」。

「今年はどんな年になるのか、楽しみですね」と伊東さん
「今年はどんな年になるのか、楽しみですね」と伊東さん

卯年の令和5年は、神の使いとされるウサギがたくさんいる三尾神社で隠れウサギを探してみてくださいね。それでは今年も、炎の探偵社をよろしくお願いいたします。

今年も良い取材ができますように!
今年も良い取材ができますように!
調査完了
今回取材したところはこちら
三尾神社