遊べて学べる尼崎の公園を調査!
2024/04/01
尼崎に住む3歳の孫と散歩をしていたら、横断歩道の前で、「車はここで止まらないといけないんだよ」と教えてくれました。なんでも、信号機や横断歩道のある公園で覚えたそう。そんな公園があるとは知らなかったので、どんなところなのか、探偵さん調査をお願いします。
さっそく信号機がある公園に突撃!
公園といえば、ブランコや砂場があって、遊んだりくつろいだりする場所ですよね。そんな公園の中に、信号機や横断歩道があるなんて、探偵もとっても気になります。
まずは依頼者のお孫さんが住んでいる尼崎市を調べてみました。すると、信号機などが並んでいる公園があるという記事を発見!公園を管轄する尼崎市役所を訪ねてみたいと思います。
尼崎市役所を訪ねると公園維持課の小西修矢さんが対応してくれました。
「信号機や横断歩道を設置した公園が尼崎にあると聞いてやってきました。ぜひどんなところなのか詳しく教えてください」。
「信号機などがある公園というと、西武庫公園のことですね。こういった公園は『交通公園』と呼ばれていて、日本中にいくつもあるんですよ。そのなかで西武庫公園は、日本初の交通公園としてつくられたようです」。
日本ではじめて!?それはなんだかすごそうです。しかし交通公園という名前をはじめて聞いたのですが、普通の公園とは違うのでしょうか?
「はい。公園の中で交通ルールを学べるようにつくられたものなんですよ」。
なるほど~、依頼者のお孫さんは、ここで横断歩道のことを学ばれたということですね。
「遊びながら学べるので、ひとりで外にでかけたり、自転車に乗りはじめたりする年ごろのお子さまにもおすすめの公園です。よかったら一緒に行ってみませんか?ご案内しますよ」。
ぜひお願いします!現地でさらなる調査に挑みたいと思います。

西武庫公園は、武庫川の東岸からすぐの場所にあり、阪急電鉄神戸線・武庫之荘駅の北側から北西方面へ車で走ること約7分のところに入口があります。緑がいっぱいでとても広そうです!

いざ、調査!公園に足を踏み入れると、横断歩道や踏切、さらには道路標識が目に飛び込んできました。
これは本物……?と目を奪われていると、「本当の道路みたいでしょう」と小西さん。



なるほど、公園の中に道路や道路標識を配置して、実際の街のようにしているのですね。こんなふうに交通ルールを学んだり体験できたりする場所がいろんなところにあればいいなと思います。でも、なぜ尼崎にできたのでしょうか?
交通公園ができたのは今から60年以上前
「西武庫公園は、昭和38(1963)年に県立公園として開園しました。もともとこのあたりは緑地だったのですが、尼崎市の都市化が進み、集合住宅の建設と周辺道路が整備されるなか、公園をつくることが決まったそうです」。
なるほど、人が増えるのに合わせて、公園をつくる計画も立てられたんですね。
「ちょうど日本の経済活動が発展していく時期で、自家用車を所有する人が急増していきました。車が増えたことで交通事故が多発するようになり、『交通戦争』と呼ばれるほどの社会問題になったそうです。そこで全国に先立って、交通指導がおこなえる公園にしよう、という案がもち上がったと聞いています」。
「開園当時は、この公園で『交通教室』が活発に開催されていて、近隣の児童はもちろん、少し離れた地域からも子どもたちが訪れていたようです。その後、公園内だけではなく、学校を訪問しながら交通ルールを指導していく巡回イベントとして実施されるようになっていったそうです」。
小学校などでおこなわれる交通教室は、交通公園での指導が発祥だったんですね。

今でも交通教室はおこなわれているのですか?
「公園を使って教室が開かれることは徐々に少なくなってきましたが、今でも幼稚園などで利用されており、『交通安全教育を兼ねて外遊びができる』と、大変喜ばれています。ほかにも、年に1回開催されている『冒険ひろばがやってきた!!』というイベント内でゴーカートを通じて交通ルールが学べる催しもあり、小さなお子さんがたくさん参加されていますよ」。
ゴーカートですか?楽しそう!
「『ゴーカート交通教室の会』という団体が主催していて、この公園で走れるんですよ」。
それはすごい、子どもたちも大喜びですね!もう少し詳しく聞かせてください。
「よろしければ、会の方に連絡してみましょうか?」。
いいのですか!ぜひお願いします!
ゴーカートを使った交通教室を公園内で開催
『ゴーカート交通教室の会』事務担当の渡辺彰さんに電話をかけていただきました。
こんにちは、炎の探偵社です。ゴーカートを使った交通教室を開催されていると聞いたのですが、どのようなことを教えられているのですか?
「幼稚園や保育園の子どもたちを対象に、ゴーカートの乗車を楽しんでいただきます。その上で、交通規則をスムーズに理解できるよう尼崎北警察署の警察官に指導してもらいます」。
警察官と一緒に安全のための教室を開催されているんですね。
「はい、参加された方からは『警察官に指導してもらうことで、子どもたちの意識がより高まった』『ゴーカート乗車に夢中で信号を見ていない子には、その都度声をかけてくださって助かりました』といった声をいただいています」。
ゴーカートに乗って楽しみながら交通ルールを学べて、子どもたちにとって、すごく貴重な体験になりそうですね。
渡辺さん、教えていただいて、どうもありがとうございました。

交通安全を学べるとともに自然の中ですごせる公園
小西さんは、「西武庫公園は緑も多く、せせらぎもある憩いのスポットです。市民によるバザーが開かれたり、春には『桜まつり』が開催されたりして、大勢の人でにぎわっています。市外からの利用者も多く、車に子ども用の三輪車や自転車を積んで来園されるファミリーもよく見かけますよ」と教えてくれました。
たくさんの方に愛されている公園なんですね。となりには広い駐車場(有料)も用意されていて、遠くからでも訪れやすそうです。


信号機や横断歩道のある公園とは、子どもたちが遊びながら交通ルールを学べる公園でした。取材時にも、小さなお子さんに「横断歩道をわたるときは左右を確認しようね」と声をかけながら遊んでいる家族の姿を見かけました。木陰やせせらぎもあって、ゆっくり過ごせる西武庫公園、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。


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尼崎市(西武庫公園のご案内)
- ゴーカート交通教室の会