大阪の折り紙名人に学ぶ♪
かわいい!楽しい!遊べる折り紙
2023/04/03

小学生の息子が折り紙に夢中です。「お母さん、折って!」とせがまれて折ってみたものの、鶴の折り方しか思い出せず、子どもも微妙な表情……。探偵さん、子どもが喜ぶ折り紙を学びたいです。詳しい先生を探してください!
折り紙、なつかしいですね~。子どものころはいろいろ折って遊んだものです。しかし探偵も鶴と飛行機しか覚えていません……。今回は折り紙の先生を探して、いろいろ学びたいと思います!調べたところ、大阪に詳しい方がいるとの情報を入手しました。さっそく向かいます。
やってきたのは、「一般社団法人日本折紙協会」理事の梅本さん(大阪支部長)の自宅。日本折紙協会とは、折り紙の伝承と発展・普及を目的に活動している団体だそうです。子どもも大人も楽しめる、折り紙の折り方を教えてください!とお伝えすると、「折り紙に興味をもっていただきありがとうございます。どうぞ中へ」と、笑顔で迎えてくれました。なんと梅本さん、ご自身の作品作りだけではなく、折り紙教室の先生たちの指導もされているそう。よろしくお願いします!

室内に一歩足を踏み入れると、そこには折り紙でできた作品がずらり!カウンターの上には色とりどりのフルーツが並んでいます。ブドウにパイナップルにマスクメロン!こんな立体的な作品、どうやって折ったのでしょうか。

「こちらは糊を一切使わずに、折り紙で作ったパーツを組み合わせて作りました。マスクメロンには、281枚の折り紙を使っていますよ」。なんと!1日に20枚折ったとしても10日以上かかってしまいますね……。「そうですね。枚数もたくさんいりますが、メロンの形になるよう組み合わせを考えるのに苦労しました」。
「こちらも複数枚の折り紙を使って仕上げた作品のひとつです」と紹介してくれたのは、銀色の折り紙で作られた花の中に、小さな鶴が並んだ花手毬!一つひとつのお花の中に、小さな小さな5羽の鶴がいて、紙ならではの繊細な作りでとってもきれいです。

折り紙だけでできているとは思えない、素敵な作品ばかりですね。いきなりこのような大作に挑戦するのは難しそうですが、初心者でもいろんな折り紙ができるようになりますか?「もちろんです。子どもからご年配の方まで、誰でも楽しんでいただけるのが折り紙のいいところです。折り紙の起源は平安時代にもさかのぼるといわれていて、1000年以上にもわたって親しまれてきた遊びなんですよ」。
折り紙はそんなに古くからあったのですね!「紙さえあれば、自由にいろんな形が作れる。これが、折り紙が愛され続ける理由だと思います。植物や動物、人物など、折り紙で作れるものは無限にありますよ」。

「今日はおすすめの折り方をご紹介しますので、ぜひ覚えて帰ってくださいね」と梅本さん。まずは、初級編として昔からよく折られている「花」を教えてもらうことに。
皆さんも、ぜひ一緒に折ってみてくださいね!
1. 長方形に2回折って十字の折り目をつけます。
2. 中央についた十字に合わせて、角を内側に折ります。

3. 4つの角を内側に折ります。
4. 新しくできた角を、もう一度内側に折ります。

5. 折った角を反対側に折り返し、小さな三角形を作ります。
6. 4つの角すべてを折り返します。

7. 内側も、同じように角を反対側に折り返し、小さな三角形を作ります。
8. 4つの角、すべてを折り返します。

9. もうひとつの内側も、同じように角を反対側に折り返し、小さな三角形を作ります。
10. 4つの角すべてを折り返します。

11. 裏面にひっくり返し、正方形の角を小さく折ります。
12. 表に返し、花びら部分を立ち上げて形を整えると、かわいいお花が完成!

久しぶりに折り紙に挑戦しましたが、簡単に折ることができました!1枚の紙でこんなに立体的な花が作れるんですね。いろんな色で折ると、かわいい花束も作れそう!
「素敵なお花ができましたね、とても綺麗に折れていますよ!次はお子さんと一緒に楽しく遊べる作品を折ってみましょう。その名も、『ひっくりカエル』です。いくつか折り方がありますが、今回は私が発案した折り方を教えますね」。おお~、わくわくしますね!お願いします!
1. 三角に折って折り目をつけて広げます。さらに十字に折って折り目をつけてから広げます。
2. 三角の折り目と十字の折り目を合わせ、谷折りします。

3. 同じ要領で点線部分の3ヶ所にも折り目をつけます。
4. 折り目に沿って、たたみ込みます。

5. 正方形の部分の左右を内側に向けて折ります。ひっくり返して裏面も同じように折ります。
6. 5で折った部分の山に指を入れて広げ、中央の線に合わせて折ります。もう片方も同じように折ります。

7. ひっくり返して三角形の端を中央に向けて折ります。
8. 直角部分も7で折った箇所に合わせるように、内側へ折ります。

9. 三方の角を外側へ向けて折り、前足と後ろ足を作ります。
10. ひっくり返して、目と口、足の部分を広げて形を整えます。

で、できた!できました!大きく口を開けたカエルのできあがりです。工程が多く感じましたが、なんとたった5分で完成しました!今にも飛び跳ねそうな躍動感のあるカエルです!
「さあ、ここからが「ひっくりカエル」の見せどころですよ。カエルの背中をポンと押してみてください」。
背中を……ポン!おお~~、カエルがぴょんと飛び上がり……。

半回転しておなかを上にして着地しました。「おっとっと。ひっくり返ったままになってしまいましたね。それでは、私のカエルの背中を押してみてください」。梅本さんのカエルで試してみたところ、おぉ!カエルがジャンプして、クルッと一回転!金メダル級の見事な着地を決めました。

探偵が作ったカエルと何が違うのかなと見比べていたら、「フワッと『たたむ』ように折ってしまうと、着地に失敗してしまうことがあります。折り目をピシッとつけるように『折る』ことを意識するといいですよ!」と教えていただきました。
折り紙は折って楽しむのはもちろん、遊べるおもちゃにもなるんですね。これなら、依頼者さんも親子で楽しめますね!

「折り紙は、手や指を使うことで脳に刺激を与えるともいわれていて、学校の教材や福祉施設などのレクリエーションにも取り入れられています」と梅本さん。指先を使う細かい動作は、脳のトレーニングにもなりそうですね。
最後に、折り紙の魅力を話してくれました。「古くから伝えられてきた折り方をベースに、折っては広げ、広げては折って、新しい折り方を一所懸命考える。そうして生まれた新しい折り方を、また違う人がアレンジを加えて別の作品に仕上げていく。だから折り紙は、どんどん進化を続けているんです。新しい作品を創り続けていく楽しみは無限です。ぜひ、決まった折り方だけではなく、自由な発想で折り紙を楽しんでください」。
一枚の紙から、いろいろな作品が生まれ、進化を続ける折り紙。皆さんもぜひ、いろんな形に挑戦してみてください!



-
日本折紙協会
大阪支部