日本最大級の
恐竜の化石が発掘された!?
兵庫県丹波地域を調査
2022/06/06

兵庫県に「恐竜の痕跡」が残っていると聞きました。そこには何があるのでしょうか?探偵さん、調査をお願いします。
恐竜といえば福井県が有名ですが、恐竜にまつわる場所が関西にもあるのは探偵も初耳でした!調べてみると兵庫県に「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム」があるとのこと。なんと、東西約18km、南北約6kmの広大な恐竜に関する野外博物館のようです。ここに恐竜の痕跡があるの?壮大なスケールに胸が高鳴ります!

探偵たちが最初に訪れたのは、フィールドミュージアム内にある丹波竜の里公園の一角。到着するとびっくり!巨大恐竜が首をもたげて、探偵たちをお出迎えしてくれています!全長15m、高さ7mもあり、今にも動き出しそうなほどリアルなつくりです。約1億年前には本当にこんな大きな恐竜たちがこの辺りを歩いていたのでしょうか……?ワクワクがとまりません!
恐竜映画の世界に入り込んだ気分で先へ進むと、丹波並木道中央公園では今度は迫力満点のトリケラトプスが出現。おそるおそる近づくと「ギャオーン!」と鳴きながら、動き出したではありませんか!遊びに来ていた子どもたちも「食べられちゃうよ~」と大はしゃぎです。

早くも恐竜の迫力に魅了された探偵たちは、続いて化石が展示されているという建物を探索してみることに。入口で「ようこそ!」と声をかけてくれたのが「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム推進協議会」の山内さんです。さっそく館内を案内してもらうことにしました。

まず目に飛び込んできたのは、天井まで届きそうな首の長~い恐竜!キリンよりずっと大きく、骨だけでも迫力があります!探偵たちが釘づけになっていると、山内さんが「これが篠山層群で発掘された『丹波竜』です。約1億1000万年前の前期白亜紀にできた地層から見つかりました。展示してあるのは原寸大の骨格模型なんですよ」と教えてくれました。先ほどの公園で見た巨大恐竜は、丹波竜の骨格に肉づけをして本物そっくりに再現した模型だそうです。こんなにも大きい恐竜の化石が関西で見つかっていたんですね!

「恐竜の痕跡をご覧になりたいのですね?でしたら、丹波竜が見つかった現場へお連れしましょう」と山内さん。ぜひ見たいです!といそいそ山内さんの車に乗り込み到着したのは、博物館から車で10分ほどの「丹波竜発見地」。
川沿いを少し歩いたところにある展望台で立ちどまり、「ここですよ」と山内さんが指さした方をのぞきこむと、ピンクで描かれた大きな恐竜の絵がありました。「川のほとりのあの場所で、丹波竜の化石が発掘されたんです。首も尻尾もあの絵の通りの姿勢で、土の中に埋まっていました」。ここが恐竜の発掘された場所なんですね!「そうなんです、今私たちは丹波竜が生きていた場所と同じところに立っているんです。1億年の時をかけて地層が重なり、人間が生まれ、丹波の街ができました」。気が遠くなるような長い時間を経て、太陽のもとに姿をあらわした丹波竜。実際の発見現場を自分たちで見られるなんて!「恐竜の痕跡」はここ丹波にあったんですね!

丹波竜発掘のきっかけは2006年8月、地元の地学愛好家が、丹波市山南町の篠山川河川敷で偶然恐竜の化石を発見したことだったそう。その後、6年間に渡る本格的な発掘調査の結果、愛好家が見つけたのは国内最大の恐竜の化石と判明しました。「丹波竜は、右半分は肉食恐竜に食べられたのか(?)残っていませんでしたが、骨がバラバラにならず頭から足まできちんとつながった状態で発掘されました。体長10mを超える大きな恐竜の化石が多数発見されたのは、日本ではなんとここだけなんです!」と山内さん。
この辺りは、火山活動や地殻変動等の土への圧力の影響が少なかったため、きわめて保存状態が良い化石が残っているのだそう。現在も発掘調査がおこなわれており、2020年には丹波竜発見地のすぐそばで世界最小の恐竜卵の化石が見つかるなど、新種の発見も続いています。


フィールドミュージアムでは、週末に化石発掘ができるイベントも実施しており、毎回すぐに定員に達するほどの人気なのだとか。恐竜好きの子どもたちや化石に興味を持つ人たちが多く集まり、発掘作業を楽しんでいるそう。これまで小動物の化石や、丹波竜の骨片など、なんと8,100個以上もの化石が発掘されたのだとか!

山内さんは最後に、「丹波で恐竜が発見されたというのは日本であまり知られていません。今後、よりたくさんの人々に化石を見に来てもらうため、丹波地域を恐竜の町として盛り上げていきたいですね!」と話してくれました。ぜひ皆さんも、「恐竜の痕跡」が残る場所へ足を運んでみてはいかがでしょうか。あなたの足もとに、まだ見ぬ化石が眠っているかもしれませんよ。

※丹波地域恐竜化石フィールドミュージアムへのアクセスやミュージアム内の移動手段については、公式HPをご覧ください。
