どんどん広がる!
フエラムネのおもちゃワールド
2019/11/18
フエラムネについているおもちゃは何種類くらいあるのでしょうか?気になるので調べてください。
フエラムネとは、口元にあてて吹くとピィ~♪とフエの音が鳴る穴の空いたラムネのこと。遊んで楽しく食べておいしいフエラムネには、おまけにおもちゃまで付いています。よく響くあの音が懐かしいという方も多いのではないでしょうか。さっそく探偵たちはおもちゃについて調べるため、大阪市東淀川区でフエラムネを製造・販売するコリス株式会社(以下、コリス)へ向かいました。お話を聞かせてくれたのは、業務部の丸田さんです。
案内された部屋には販売中のフエラムネがいくつか用意されていました。丸田さんに促されて、探偵たちはピィ〜♪とひと吹き。懐かしい音色が部屋中に広がります。そもそもなぜ音が鳴るのか疑問に思った探偵たちは、まずはその仕組みについてお伺いすることにしました。「フエラムネは2枚のラムネを貼り合わせています。実は仕組みは簡単で、穴の開いた硬貨が2枚、それとセロハンテープがあれば同じようにフエになるんですよ」と、丸田さんは取り出した硬貨でササッと工作をはじめました。そして間もなく……、ピィ~。たしかに鳴りました。
丸田さんによると、笛やオカリナなどの楽器と同じで、空気が穴を抜ける際に共鳴することで音が鳴る仕組みになっているとのこと。フエラムネの高くよく響く音を出すために、2枚のラムネをどのように貼り合わせればいいのか、開発時には試行錯誤したそうです。
では、フエラムネはいつ頃誕生したのでしょうか。丸田さんによると、フエラムネをつくったコリスは、昭和30年代に「ハリスガム」で一世を風靡した菓子メーカー・ハリスの子会社でした。当時コリスでは、口元にあてて吹くと音の鳴る「フエガム」をハリスから受け継ぎ製造販売していましたが、1973年にガムとは別に「フエラムネ」を開発。これが今では同社の看板商品へと成長しました。
そもそも、どうしてお菓子のフエをつくろうとしたのでしょうか。「当時人気のあったタバコ型ラムネをヒントにつくられたそうです。子どもはいつの時代も大人の真似をしたいもの。口笛を吹きたくても吹けないお子さまでも上手に口笛が吹けるように、と考案されたんです」と丸田さんは教えてくれました。なるほど、大人に憧れる子どもごころに注目したんですね。
さて、いよいよ本題。調査依頼のあったおもちゃについて丸田さんに聞いてみます。おもちゃは、何種類くらいあるのでしょうか?「それが……わからないんです」
えー!?会社の人にもわからないなんて、どういうことですか?「正確には、現在販売中のおもちゃが何種類あるかすぐには答えられないということです。おもちゃは年に数回入れ替えますが、そのタイミングは不定期。また、おもちゃの種類は色違いを含めると年間で250~300、多い年では約500種類にのぼります。おもちゃの在庫が減ると追加するという運用なので、今何種類が出荷されているかまでは管理していないんです」なるほど、たくさんありすぎて、リアルタイムで把握するのは難しいということなんですね。でもそんなに種類があるなんてスゴイ!
ここで丸田さんは、「ちなみに、おもちゃのラインアップの中には特別な『レアおもちゃ』があるんですよ!」と切り出してきました。レアおもちゃ?と首をかしげる探偵たちに、丸田さんは現在展開している「フエ星人シリーズ」を見せてくれました。フエ星人はアタマ部分がフエになっていて、ちゃんと吹いて遊べるうえに暗いところでは光ります。なんだかとっても凝ったつくり。確かにこれは集めたくなります!この他にもレアおもちゃにはさまざまなシリーズがあり、過去には「海賊の宝シリーズ」や「宝石シリーズ」などが投入されていたそうです。
そんなレアおもちゃは、社長の「レアものを入れるとさらに楽しめるのでは?」という発想から始まったそうです。社長からバトンを引き継いだ開発メンバーは、お客さまを飽きさせないおもちゃづくりに、日々情熱を注いでいます。
さらに、フエラムネのおもちゃには、熱心なコレクターさんもいるようです。しかも、収集するだけではなく、分解してポーズをつくり替えたり、アレンジをほどこしてSNSやWebサイトで紹介するコレクターさんもいるんだとか。「そんな投稿を見かけるとうれしくなります。皆さん、自由な発想でどんどん遊んでほしいですね」と丸田さんは笑顔で話してくれました。
コリスの皆さんの「お客さまを楽しませたい!」という情熱や、コレクターさんの自由な発想によって、どんどん広がっているフエラムネのおもちゃワールド。これからもフエの音のように、その世界はどこまでも広がっていくことでしょう。皆さんも、店頭などでフエラムネを見かけた際はぜひ手に取ってみて、ちょっと懐かしくて楽しいおもちゃワールドを体験してみてくださいね♪