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メイド・イン梅田のハチミツがあるって本当!?

2019/05/20
依頼内容

梅田のど真ん中で、ハチミツをつくっているという話を聞きました。本当でしょうか?

とろ~りとした食感とやさしい甘みがやみつきになるハチミツ。そのハチミツをミツバチに集めさせる作業を養蜂といいますが、どんなところでやっていると思いますか?花がたくさん咲いている森林や果樹園などを連想してしまいますが、今回の投稿では「梅田のど真ん中」でやっているとのこと。ビルだらけで緑らしい緑がほとんどない梅田で、そんなことができるのでしょうか?

この大都会・梅田のどこでハチミツを!?
この大都会・梅田のどこでハチミツを!?

いろいろ調べた結果、探偵たちは阪急梅田駅の近くにあるヤンマー株式会社の本社ビルに行ってみることにしました。ビルで待っていたのはNPO法人梅田ミツバチプロジェクトの代表・小丸さんです。小丸さんに案内されて12階へと向かうと、そこはおしゃれな社員食堂になっていました。フロア中央部にはガラスで囲まれた中庭があり、ガラス越しにのぞくと緑がいっぱい。さらによくのぞき込んでみると、巣箱がありその周りをミツバチが元気よくブンブン飛び回っているのが見えます。

写真上:おしゃれな社員食堂、写真下:緑が美しい吹き抜けの中庭
写真上:おしゃれな社員食堂、写真下:緑が美しい吹き抜けの中庭

「ここは梅田ミツバチプロジェクトが運営する都市型養蜂場です。こんな梅田のど真ん中でおいしいハチミツがとれるって言うと、多くの方がビックリするんですよね」とのこと。確かにビックリしました。梅田のど真ん中で、ハチミツがつくられているという話は本当だったんですね!

紅茶にハチミツを入れて飲むのが好きな小丸さん
紅茶にハチミツを入れて飲むのが好きな小丸さん

さっそく、どうしてこんな都心で養蜂をはじめたのかとお聞きしてみました。小丸さんがこのプロジェクトを発足したのは、約10年前。当時、茶屋町のまちづくりに関わっていて、世界の大都市で都市養蜂が展開されているという雑誌の記事をたまたま目にしたそうです。そこには、都市でつくられるハチミツは、田畑がない分農薬の影響を受けないため高品質であり、都市養蜂は究極の地産地消だということが書かれていました。記事を読んで、大阪でも都市養蜂をしたいと思った小丸さんは、世界の大都市で現場を視察。「ニューヨークでは100ヶ所以上で都市養蜂を行っていて、ビルの使われていない屋上に土を運び込んで屋上農園をつくり、養蜂場を設置していました。ハチミツを含めた収穫物を消費者やレストランに販売するなど、地域のコミュニティ拠点として共存していることに感銘を受けたのです」と小丸さんは、そのとき見た光景を語ってくれました。

ニューヨーク同様、都市養蜂の盛んなパリ・リュクサンブール公園での養蜂風景
ニューヨーク同様、都市養蜂の盛んなパリ・リュクサンブール公園での養蜂風景

帰国後、さまざまな企業に相談しましたが、なかなか話は進みません。それでもあきらめずにあちこちを走り回っていたら、都市養蜂の魅力に共感してくれたヤンマーさんが耳を傾けてくれました。それから話はトントン拍子に進み、2010年3月に旧ヤンマー本社ビルの屋上で、大阪初の都市養蜂がスタート。その後、2011年からはABC-MART梅田ビルの屋上、2015年からは現在の場所へと移転しています。

プロジェクトがはじまって、最初の採蜜
プロジェクトがはじまって、最初の採蜜

養蜂ってどんな作業をするのかと気になっていたら、「中庭に入って作業を見学してみますか?」と小丸さんからのお誘いが。ありがたいのですが……。ミツバチに刺されたらどうしようと怖くなる探偵たち。すると、「ミツバチは人を攻撃するイメージがありますが、刺激しなければほとんど人を刺すことはありませんよ」と小丸さんが教えてくれました。それなら勇気を出してみようと決意。顔にはネットをつけて、肌が露出しない作業服に着替えて、いざ中庭へ!

顔にはネット、肌が露出しない作業服に着替えて向かいます
顔にはネット、肌が露出しない作業服に着替えて向かいます

小丸さんが取り出した巣箱をのぞき込むと、巣板にミツバチがびっしり!「1箱あたり多いときでは4~5万匹もいるんですよ」。そ、そんなに!?小丸さんたちは巣箱内のミツバチの様子を見ながら、ハチミツの集まり具合を確認しています。ハチミツの量が少ないようであれば、活発なミツバチのいる巣板を入れてハチミツが集まりやすいように調整します。

写真上:使用前のきれいな巣板、写真下:ミツバチが巣板にいっぱい
写真上:使用前のきれいな巣板、写真下:ミツバチが巣板にいっぱい

ところで、ミツバチたちはどこから蜜を集めてくるのでしょうか?ミツバチの行動範囲は半径2~3キロ。淀川の河川敷や中之島公園、大阪城などから蜜を集めます。花の種類はタンポポやクローバー、バラなど季節によって違います。

街中に咲くさまざまな花から蜜を集めてきます
街中に咲くさまざまな花から蜜を集めてきます

蜜源がこの周辺にあることはわかりましたが、いくらビルの中庭とはいえ、ここは梅田のど真ん中。都会の花の蜜って、本当においしいのだろうかと思った探偵たち。小丸さんに聞いてみると、笑いながらこう答えてくれました。「都心の花の蜜は農薬の影響を受けていないからとてもおいしいですよ。特に4~5月はさまざまな花が次々と咲くので、2週間で色も味も劇的に変わります」。なんだか意外な気もするのですが、ためしに味見をしてみると、まっさきにフレッシュな花の香りが広がります。採蜜時期の違うハチミツを、あれこれ試してみたくなってきました。

採蜜時期ごとに、色も味も全然違います
採蜜時期ごとに、色も味も全然違います

梅田ミツバチプロジェクトは、活動範囲を広げて2015年3月より四天王寺の境内、2016年3月より服部緑地でも養蜂を開始しました。それに加え、小学生を対象に食育活動の一環として、養蜂の様子を見学してもらう取り組みも実施しています。「小さなミツバチ1匹が、約50日という短い一生で集める花蜜や樹蜜は、わずかティースプーン1杯ほどしかありません。日ごろ口にしているものがどうやってできているのか、食べもののありがたさや尊さを感じる機会になってほしいです」と小丸さんは語ります。なお、ヤンマー本社ビルの社員食堂は、レストランとして休日に一般解放をしています。その際に、ガラス越しに養蜂場の様子を見学できます。

見学前に、授業を受けてミツバチの勉強をする小学生たち
見学前に、授業を受けてミツバチの勉強をする小学生たち

また、採蜜したハチミツはネットで購入できます。この機会に、大都会の中の豊かな自然の味・メイド・イン梅田のハチミツをぜひ味わってみてくださいね。

おいしいハチミツをお届け♪
おいしいハチミツをお届け♪

※ミツバチ勉強会の開催依頼や養蜂研修に関しては、梅田ミツバチプロジェクトのHPをご覧ください。

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