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ここに“シカ”ない!
鹿せんべいとばし大会とは?

2019/03/04
依頼内容

奈良では、鹿にあげる「鹿せんべい」を投げる大会があると聞きました。どんなイベントなんでしょうか?

いにしえの都、奈良。東大寺や春日大社などの世界遺産と並んで有名な存在といえば、奈良公園の鹿たちです。昔から神の遣いとして大切にされてきた鹿は、国の天然記念物に指定され、公園内に約1,200頭が生息中。そんな鹿たちとふれ合えるヒミツ道具といえば、鹿せんべい。通常は公園内の売店で購入して鹿に食べさせるのですが、それを投げる大会があるなんて……。調べてみると、確かに「鹿せんべいとばし大会」なるものが開催されているようです。いったいどんな大会なのか、気になった探偵たちはさっそく潜入調査に行ってきました!

鹿せんべいとばし大会ってどんな大会?
鹿せんべいとばし大会ってどんな大会?

「鹿せんべいとばし大会」が行われたのは、1月26日。毎年恒例行事である「若草山焼き」のプレイベントのひとつとして、実施されました。場所は奈良公園内にある若草山のなだらかな中腹。大会を主催するのは、奈良若草山観光振興会・会長の清水さんです。「このイベントは1993年から実施していますが、発案者はこの私です」と誇らしげに語ります。なんと、すでに25年以上の歴史を持つご当地イベントだったとは!「私は若草山の麓の商店街で、団体向けの食事処を経営しているのですが、商店街を盛り上げるために何か奈良らしいイベントができないかと考えたのがきっかけです」と教えてくれました。

長くやっているイベントだったんだね!
長くやっているイベントだったんだね!

それにしても、鹿せんべいを投げるというユニークなアイデアは、どうやって生まれたのでしょうか。清水さんは「修学旅行生たちが鹿せんべいを飛ばして遊んでいる姿を見て、ひらめきました」と当時を振り返ります。通常サイズの鹿せんべいを飛ばすだけでは見栄えがせず、距離もさほど出ないため、ああでもないこうでもないと商店街の方やボランティアスタッフとともに頭をひねりました。その結果、鹿せんべいを巨大化させることになったのだとか。そのサイズ、直径約20cm。大会のための特製サイズで、通常の約4倍の大きさになります。

通常の鹿せんべいと比べてみると、一目瞭然!
通常の鹿せんべいと比べてみると、一目瞭然!

大会では、山の中腹から円盤投げの要領でひとりずつ鹿せんべいを投げ、着地までの飛距離を競います。大会の進行を務めるのは、鹿の着ぐるみ姿のシカオさん。「まいりま~す!」というシカオさんのかけ声とともに、参加者がエイヤッと鹿せんべいを飛ばします。

寒さも吹っ飛ぶほど元気な大声で進行を務めるシカオさん
寒さも吹っ飛ぶほど元気な大声で進行を務めるシカオさん

この日は、会場に立てられたのぼりも倒れそうなくらいの強風。もしかして、この風で鹿せんべいの飛距離が伸びるかも?と思いきや、強風に悩まされる参加者が続出。力みすぎて飛ばす直前に鹿せんべいが割れてしまったり、急な風向きの変化で会場から大きく外れて飛んでしまったりと、鹿せんべいを飛ばすのは思った以上に難しいようです。

鹿せんべいを投げたところ。遠くまで飛ばすのは難しい
鹿せんべいを投げたところ。遠くまで飛ばすのは難しい

さらに、この大会には独自に設定したユニークなルールがあります。それは「飛ばした鹿せんべいが割れてしまった場合、最も遠くに飛んだかけらの位置が記録になる」「着地したせんべいを鹿が食べてしまったら、その鹿の右前足までの距離を測定する」というもの。鹿の様子を見ていると、1枚の鹿せんべいを取り合いしている鹿や残っている鹿せんべいにプイと見向きもしない鹿がいたりと、鹿にも好みがあるようです。

おいしそうに食べる鹿の姿を眺めるのも、イベントの醍醐味♪
おいしそうに食べる鹿の姿を眺めるのも、イベントの醍醐味♪

今回の大会での優勝者が出した記録は、なんと45.3m。優勝者には、本物の鹿の角を使った特製トロフィーが手渡されました!この鹿の角って本物ですかとお聞きすると、「そうです。私は『奈良の鹿愛護会』の理事も務めている関係で、このイベントが地域振興にも役立つからということで、角切りのときに切り出された鹿の角を提供してもらいました」と答えてくれる清水さん。毎回違うデザインで用意されていて、今回は奈良漬け用の壷のフタと鹿の角を組み合わせたトロフィーです。いかにも奈良らしいデザインですよね。

写真左:シカオさんと清水さんで優勝者(中央)を表彰、写真右:奈良公園の鹿の角でつくられた特製トロフィー
写真左:シカオさんと清水さんで優勝者(中央)を表彰、写真右:奈良公園の鹿の角でつくられた特製トロフィー

さらに、参加者の中で20m以上飛ばした人には、鹿のストラップなどの記念品が贈呈されます。「風が思ったより強くて、イメージ通りには投げられなかったけど、自分も楽しみながら鹿にせんべいがあげられたので、うれしかったです!」と満足げに語る方もいました。

可愛い鹿のストラップが入賞者をお祝い
可愛い鹿のストラップが入賞者をお祝い

鹿せんべい大会は毎年3回(1月・3月・5月)開催されていて、1回あたり約800人が参加する人気イベントです。「観光のついでにフラッと参加する人も多く、ゆる~い雰囲気がこれまたウケているんですよ」と清水さんはニッコリ。日本各地や海外からも、若草山近郊の観光ついでに参加される方も増えています。また、何度もチャレンジする常連さんもいるとか。開催日以外でも、団体さんからの申込みには随時対応しています。

ゆったり広がる景色の中でのんびり楽しめるユニークなイベントについて、清水さんは「ここに“シカ”ない大会なので、ここで優勝すれば世界一!」と言っています。3月21日には春休み大会が開かれる予定なので、興味のある方はぜひ参加してみてくださいね。

「一度やったら、夢中になります!」と清水さん
「一度やったら、夢中になります!」と清水さん

※若草山には別途入山料が必要です。
大人(中学生以上)150円、小人(3歳以上)80円

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