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炎の探偵社

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気分は秘境の探検隊!この夏、
スリルが味わえる鍾乳洞はいかが?

2017/06/05
依頼内容

私は鍾乳洞が大好きです。関西エリアでおすすめの鍾乳洞を教えてください。

奈良県天川村の洞川(どろがわ)温泉にある、五代松(ごよまつ)鍾乳洞は、訪れた人からアドベンチャー感がある、スリリングなど、変わった感想が聞こえてくる鍾乳洞。面白そうなので、今回はここに行ってみることにしました。現地では、中学生のころからこの鍾乳洞を案内していた増谷(ましたに)さんがガイドをしてくださることになりました。増谷さんは、洞川地内の各種施設や山林を管理する、「洞川財産区」という特別地方公共団体で、洞川の魅力を伝えるべく活動されている方です。


鍾乳洞に行くには、まずモノレールで山登り。鍾乳洞へと続く山の斜面にある五代松鍾乳洞駅へ。

山小屋のようなモノレールの出発駅
山小屋のようなモノレールの出発駅

ここでヘルメットを装着。え、なぜヘルメットをかぶるの?と不安になってよくよく見ると、そこに木を伐採する山で使うようなタイプのモノレールが待機しているではありませんか!定員は5人、しかも運転は増谷さんご本人。万博記念公園に行くときに乗るのとはえらい違いの乗り物に緊張しつつ、乗り込みました。

5人しか乗れないモノレールの運転手は、案内役の増谷さん(後部席は制作会社スタッフ)
5人しか乗れないモノレールの運転手は、案内役の増谷さん(後部席は制作会社スタッフ)

大きなエンジン音とともに出発すると、すぐに急斜面に差しかかり杉並木の中をゆっくりと登って行きます。増谷さんいわく、一番急な傾斜角度は34度とのことですが、体感的には直角で、こ、怖い。うわさの「スリリング」とはこのことだったのですね。

後ろは振り返らないのが賢明です 写真提供:洞川財産区ホームページより
後ろは振り返らないのが賢明です
写真提供:洞川財産区ホームページより

このモノレールは、もともと林業がさかんなこの地域で軽量土木資材の運搬に使われていたもの。それを入口までの案内用にしたのだとか。危なっかしく見える1本レールや急斜面を登っていくスリルが功を奏して、人気を呼ぶ結果に。

傾斜が一番厳しい場所を越えもうすぐ到着。それでもこんなに斜め!
傾斜が一番厳しい場所を越えもうすぐ到着。それでもこんなに斜め!

5分ほど恐怖のモノレールに乗ったところで、ようやく鍾乳洞の入口に到着。「この鍾乳洞は赤井五代松氏という人が、昭和8年から10余年の歳月をかけて私財をなげうって発掘しました。近くの面不動鍾乳洞も昭和8年に発見されているので、おそらく当時はこのあたりで鍾乳洞を探す動きが活発だったのでしょう。今は洞川財産区が地域の財産として、ここの管理をしています」と増谷さん。


増谷さんが鍾乳洞の扉をあけると、ひんやりとした冷たい空気が流れ出てきました。「中は一年を通して約10度。ここからは世界が変わりますよー!」と語る増谷さんの息が奥からの湿気と、少しひやっとした空気のせいで白くなっている!ワクワク、ドキドキ、気分は探検隊です。

左に見える緑の扉が鍾乳洞への入口
左に見える緑の扉が鍾乳洞への入口

入口すぐは薄暗く、天井が低くなっています。「頭をぶつけないように気をつけてね」と注意してくれますが、うす暗い中で感覚がつかめずぶつけてしまいました。ヘルメット装着必須の意味を理解した瞬間です……。

岩場に掘られた石段を登っていきます
岩場に掘られた石段を登っていきます

入口を抜けると、上から垂れ下がる鍾乳石や床にしたたり落ちた石灰が固まってにょきにょき伸びたような石筍が目の前に広がり、まるで探偵たちを取り囲んでいるかのよう。中には、観音様が赤ちゃんを抱いた姿に見える「子育て観音」や、鍾乳石と石筍がつながって、太い柱になったように見える「床の間の柱」というネーミングがついているものも。

これが床の間の柱という名前の鍾乳石
これが床の間の柱という名前の鍾乳石
上を向くとたくさんの鍾乳石が荒々しい形で垂れ下がっています
上を向くとたくさんの鍾乳石が荒々しい形で垂れ下がっています

洞内は鍾乳石の起伏が大きく荒々しい雰囲気で、モノレールに乗っていた先ほどまでとは、別世界にいるような気持ちになります。

「大石筍の滝」。滝が生きているようです
「大石筍の滝」。滝が生きているようです
ライトに照らされた洞内は、とっても幻想的
ライトに照らされた洞内は、とっても幻想的

クライマックスは「鷲の大鍾乳石」。巨大な鷲が下を向いて獲物を狙って降下している姿は大迫力!鷲の両翼が探偵たちの頭を包み込もうとしているようです。これらすべてが、今も洞内にぽたぽたと垂れる水滴がつくったものだなんて、感動を覚えます。

出口近くにある鷲の大鍾乳石。ダイナミック造形美を堪能できます
出口近くにある鷲の大鍾乳石。ダイナミック造形美を堪能できます
こんな風に、鷲が獲物めがけて急下降しているように見えます
こんな風に、鷲が獲物めがけて急下降しているように見えます

「雨水が山の中を通る過程で石灰を含みます。それがここに少しずつ染み出て、石灰がまた固まったものが鍾乳石。その成長スピードはゆっくりで、1cmのびるのに100年かかります。人間がどんなに長生きしても、一生で1cm伸びるのを見られるかどうか。この鍾乳洞には、5mや8mの鍾乳石がたくさんありますが、5万年、8万年という長い時を経て現在の姿になっているということ。ここに入ると、外の世界と鍾乳洞の中では時間の流れが全然違うことを感じます」と増谷さん。人間の存在がいかに小さなものなのか実感させられました。

鍾乳洞は宇宙!と語る増谷さん
鍾乳洞は宇宙!と語る増谷さん

何万年もの流れを感じた鍾乳洞を抜け、モノレールに再び乗り込みます。Uターンするのではなく行きと同じ向きのまま、今度は背中からバックで戻ります。これがまた怖い……。


無事に始発駅に戻ってこれた探偵たち、ここでようやくハッと気づきました。モノレールと鍾乳洞に夢中になりすぎ、マイマイ姉妹と一緒に写真をとっていなかったことに。ごめんねマイマイ姉妹!

マイマイ姉妹もこの表情
マイマイ姉妹もこの表情

五代松鍾乳洞はスリル満点のモノレールと探検気分が味わえる鍾乳洞という二つの楽しさが堪能できる、まさに自然のアトラクションでした!さらに、環境省選定の「名水百選」に選ばれるほどの名水、ごろごろ水もこのすぐそば。この夏のレジャーにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

五代松鍾乳洞内部は見学できる範囲は約80m。雨天でも見学可能ですが、冬季(12月~3月下旬)と悪天候の際は閉鎖してしまうのでご注意を。毎週水曜は定休で、9時30分~15時50分まで見学可能、地面は濡れているためスニーカーはマストです。

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