京都のヤサカタクシーに、たまに「四つ葉マークのタクシー」が存在するようですが、なかなか乗ることができません。四つ葉マークのタクシーは、配車の手配もできないと聞いています。どこかを流しているところを捕まえるしかないと思っているのですが、出会う可能性が高い場所はあるのでしょうか。
調査依頼を受けて、京都に向かいました。まずは京都駅前のタクシー広場で探してみましたが・・・さすがは観光都市。タクシーの台数が多く、簡単には見つかりません。各社がサービスを競い合うタクシー激戦区の京都で、四つ葉マークのタクシーを見つけるのは大変そうです。
京都駅前で待っているだけでは調査も進まなさそうなので、ヤサカタクシーの本社に向かうことにしました。もちろん交通手段はヤサカタクシー。福々しい運転手さんに車中で伺ったところ、四つ葉タクシーは確かに存在するとのこと。担当の運転手がだいたい決まっていて、ご自身は詳しいことはご存じないようです。
京都駅を出て10分も経たないうちに、五条通に面するヤサカタクシーの本社に到着しました。社屋には、同社の本来の社章「三つ葉」マークが輝いています。この三つ葉は安全・快適・信頼を象徴しています。
ヤサカタクシー本社では、広報の山口さんが対応してくれました。四つ葉タクシーは、約1,200台のヤサカタクシーの中でたった4台だけ!流し専門で、予約は受付不可。ルートはお客さんの行き先や運転手さんによるので、どこで出会えるかは予測がつかないとのこと。残念ながら偶然を期待するしかなさそうです。
山口さんに「それでも会いたいんです・・・」と懇願すると、乗務員の交代やお昼休みを兼ねて本社に戻ってくるかもしれないので、運が良ければ見ることができるかもしれない、とのこと。たしかに、出会える確率としては、本社周辺で待つのが一番よさそうですね。
アドバイスにしたがって、本社で待つこと1時間・・・。1台の四つ葉タクシーが帰ってきました!お昼休憩のために本社に戻ってこられたそうです。
四つ葉タクシーができたのは2003年頃。お客さまから、「三つ葉のマークに落ち葉がくっついて、まるで四つ葉のクローバーのように見えた」という手紙が届き、「それやったら、ほんまに作ろうか!」と四つ葉タクシーが導入されたそうです。
運転手の青山さんいわく、せっかく四つ葉タクシーに乗っても、それに気付いていないお客さまも多いとのこと。ドアとあんどんのマーク以外はすべて他の車両と同じなので、乗る前でないと分からないからです。確かに、タクシーを探すときは空車表示ばかりに目がいってしまうので、気付きづらいかもしれませんね。
そこで青山さんは、自分からお客さまにこのタクシーのヒミツをお伝えするようにしています。四つ葉タクシーに乗ったことを知ったお客さまは、乗務員さんのサービスも含め期待値がぐっと高まるようで、青山さんは最高のサービスを提供できるよう日々心がけられているそうです。
降車時には、「幸せを運ぶタクシー 四つ葉のクローバー号」に乗ったことを証明する記念乗車証をお渡ししています。乗車後、「娘さんの結婚が決まった」「万馬券を当てたよ」など、実際にさまざまな幸せを受け取った方からお礼のお手紙をいただくこともあるそうです。
お昼休みのタイミングでは、ぞくぞく午前の勤務からタクシーが戻ってきます。なんと、そのタイミングで珍しい双葉(葉っぱが2枚)の車両にも出会うことができました。ナンバープレートも28-28(ふたばふたば)!こちらは、上賀茂神社の式年遷宮に合わせて2015年に2台導入したばかり。四つ葉タクシーよりもさらにレアです。四つ葉タクシーのご利益で、双葉のタクシーにまで出会えてしまいました。
同社のキャッチコピーは「思いを運ぶ 幸せタクシー」。お客さまのお手紙をヒントに四つ葉の車両を作ったり、プレートナンバーで遊んでみたり、ヤサカタクシーさんは茶目っ気あふれる楽しいタクシー会社でした。
結論としては、四つ葉のタクシーは流しなので、残念ながら確実に出会う方法はありません。運良くめぐり会えるチャンスを待つしかないので、京都の街で目を凝らして探してみてくださいね♪(ヤサカタクシー本社の近くなら出会いやすいかも?)