知るほど、なるほど、好きになる 朝ごはん世界紀行

No.026ペルー

チチャロンとパン

ペルー共和国
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  • ペルー共和国ペルー共和国
  • 南アメリカ大陸の西側、南太平洋に面した国。日本の約3倍の国土の中に、歴史のロマンを感じられる名所が各地に今も残っています。15~16世紀に栄えたインカ帝国の都市遺跡「空中都市マチュピチュ」や、現在も起源が解明されていない「ナスカの地上絵」をひとめ見るため、世界中から観光客が集まります。
ペルーの週末は、豚のスペアリブを揚げ焼きにした「チチャロン」が朝食の定番!

ペルーの週末は、豚のスペアリブを揚げ焼きにした「チチャロン」が朝食の定番!

  • 今回の旅のパートナー
  • 「ひょうごラテンコミュニティ」
    代表 大城ロクサナさん
  • 日本とペルー両方にルーツを持ち、ペルーの首都、リマで生まれ育ったロクサナさん。約30年前に来日し、現在は日本に住むスペイン語圏出身の人々への支援をおこなうコミュニティの代表を務めています。今回はそんなロクサナさんと一緒に、ペルーの朝食をシルヴァンセ(召し上がれ)♪
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「ひょうごラテンコミュニティ」
代表 大城ロクサナさん

ペルーの皆さんは、朝にどんなものを食べるんですか?

私の家では、「チチャロン」というペルー料理にパンを添えて食べるのが週末の朝の定番でした。「チチャロン」は塩こしょうで下味をつけた豚のスペアリブをゆでて、表面がカリッとするまで揚げ焼きにした料理。豚肉から出た脂で揚げるため、見た目より脂っこくないんですよ。外はカリカリで中はジューシーなチチャロンは、食べはじめると手が止まりません。忙しい平日はパンとコーヒーなどですませることが多い分、ゆっくりと過ごせる週末の朝には、家族みんなでワイワイとチチャロンを食べるのが楽しみでした。チチャロンに使うスペアリブは、うまみを閉じ込めるために大きな塊のまま調理するのですが、2キロほどあっても家族4人ですぐに食べ切ってしまいます。日本で暮らす現在も、子どもたちには私と夫の母国であるペルーの食文化に触れてほしくて、週末の朝にチチャロンを食べる習慣を大切にしています。長男は3歳から、次男は生まれたときから日本で暮らしていますが、二人ともチチャロンが大好物。私が子どものころと同じように、骨ごとかぶりついています。

チチャロンはサンドイッチにしてもおいしいんですよ。骨を取り外したお肉をパンにはさんだペルー風サンドイッチ「パン・コン・チチャロン」もポピュラーな朝ごはんで、ペルーのカフェでは人気メニューのひとつです。

分厚くスライスしたチチャロンと玉ねぎのマリネ、揚げたさつまいもをサンドした「パン・コン・チチャロン」

分厚くスライスしたチチャロンと玉ねぎのマリネ、揚げたさつまいもをサンドした「パン・コン・チチャロン」

ペルーはとても広い国ですよね。チチャロンはどの地域でも食べられているんですか?

首都のリマを中心とした海岸地域でメジャーな料理だと思います。実はペルーは地域によって環境も食文化も大きく異なります。南太平洋に面した「海岸地域」は海の幸を使った料理が多く、アンデス山脈がある「山岳地域」では、じゃがいもやとうもろこしが主食です。そしてアマゾン川と接する「ジャングル地域」では淡水魚がよく食べられています。また、ペルーの食文化は、それぞれの地域の伝統を大切にしながら、ヨーロッパ、アフリカ、中国など、外国の食文化も取り入れて多様な発展を遂げてきました。ペルーの食文化はひとつの枠に収まりきらないところが魅力だと思います。

ペルーに多く暮らす日系人の影響もあるんですよ。たとえば、刺身を食べたり、ペルーの伝統的な魚料理である「セビチェ(魚介のマリネ)」を巻き寿司にアレンジしたりと、日本の食文化と融合した独自の料理が「NIKKEI(ニッケイ)」という立派な料理ジャンルのひとつになっています。うちの子どもたちも刺身や寿司が大好きなんですよ。

ペルー風巻き寿司。セビチェの巻き寿司は「巻く」から名前をとって「マキ・アセビチャード」と呼ばれます

ペルー風巻き寿司。セビチェの巻き寿司は「巻く」から名前をとって「マキ・アセビチャード」と呼ばれます

日本食から影響を受けた料理も多いんですね!子どもたちは、ほかにどんな食べ物が好きですか?

成長期の子どもたちは、栄養価の高いオートミールのジュースを朝に飲むことが多いですね。シナモンやクローブで風味をつけたオートミールをミキサーで粉末にし、ミルクで溶かせばできあがりです。甘くて、とても優しい味がするので、子どもたちは喜んで飲んでいますね。栄養価の高い食べ物といえば「キヌア」。ペルーでは日常的に食べられています。「キヌア」はスーパーフードとして広く知られていますが、もともとアンデスの山岳地域で食べられていたものなんですよ。気温が低いため、作物が育ちにくい地域の貴重な栄養源として古くから欠かせないものでした。とはいえ、ペルー国内でもローカルな食材だったので、ここまで注目されるようになるとは考えられませんでしたね。日本でもキヌアが買えるようになったのには驚きました。ほかにも、実はじゃがいもやトマトもアンデス地域が原産地なんですよ!このようにペルー原産で世界へ広まった作物はたくさんあります。日本でじゃがいもやトマトを食べるときには、ペルーを身近に感じてもらえたらうれしいですね。

さまざまな種類のじゃがいもが並ぶペルーの市場

さまざまな種類のじゃがいもが並ぶペルーの市場

  • 外国の食文化を柔軟に取り入れてきたペルーでは、さまざまなオリジナル料理が生まれてきました。そんなペルーの食文化に魅せられる人は多く、わざわざペルー料理を食べるために外国から訪れる人もいるほどなんですよ。それではアディオス(さようなら)!
「ひょうごラテンコミュニティ」
代表 大城ロクサナさん