- 今回の旅のパートナー
- エジプト料理&地中海料理「JINA」オーナーシェフ 藤原ジーナさん
- 来日して今年で32年。日本の高級ホテルにシェフとして勤務したあと、神戸の北野坂に自身がオーナーシェフを務めるレストランバーをオープンしました。その傍らエジプト文化の紹介冊子でレシピコーナーを担当し、エジプト料理の魅力を発信しています。今回はそんなジーナさんとともに、エジプトの朝食をエトゥファッダル(召し上がれ)♪
エジプト料理&地中海料理「JINA」のホームページはこちら
エジプトの皆さんは、朝にどんなものを食べるんですか?
よく食べられている朝食といえば、「ターメイヤサンド」ですね。ターメイヤとは、乾燥そら豆と玉ねぎ、ハーブをすりつぶして丸めて衣をつけずに油で揚げた食べ物。ターメイヤの味つけには塩と数種類のスパイスを使いますが、あくまでも素材の味を引き立てる程度。サクサクと軽い口当たりでいくつでも食べられるので、気づいたらお皿が空になっています(笑)。朝食では、ターメイヤをナスのマリネなどの野菜と一緒に「アエーシ」という薄いパンの間にはさんで食べるのが一般的です。ターメイヤサンドは具材が全て野菜なので、ベジタリアンの方たちにもおすすめ。ヘルシーフードとしても注目されているんですよ。
そら豆から作られているんですね!ターメイヤは昔からよく食べられていたんですか?
はい、数千年以上前から食べられていたようです。というのも、古代エジプトの壁画には当時の生活の様子が描かれていて、その中にはターメイヤを作っている場面もあるんですよ。エジプトは「砂漠とピラミッド」のイメージが強いかもしれませんが、実は農業が盛んな国。ナイル川を中心に緑が豊富で、四季もはっきりしています。農作業で忙しい人々に、片手で食べられて栄養が豊富な食べ物が好まれたんでしょうね。現在の食卓でも、忙しい朝にはターメイヤサンドがぴったり。朝早くにエジプトの街を歩くと、あちこちの家からターメイヤを揚げるいい香りが漂ってきて、お腹が空いてくるんですよ。
各家庭で手作りしているんですね。ターメイヤはお店でも食べられるんですか?
ターメイヤサンドの専門店が街中にいくつもあって、朝食を作る時間がない人はテイクアウトしていますよ。お店では、つけ合わせの野菜にはいろいろな種類があり、好みのものを選びます。注文したターメイヤ、アエーシ、野菜をそれぞれ受け取り、自分で具材をはさんで食べるのが基本。それから、朝食に欠かせないのが紅茶。濃い紅茶に砂糖をたくさん入れて飲むのが一般的ですね。とってもおいしいんですよ!