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炎の探偵社

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子どもの描いた絵から作る!
世界でたったひとつのぬいぐるみ

2020/07/20
依頼内容

子どもが描いた絵をぬいぐるみにしてくれる会社があると聞きました。どのようなサービスなのか、調査をお願いします。

小さなお子さんって、お絵かきが大好きですよね。えんぴつ1本で描かれた不思議な動物や、クレヨンで描かれたかわいいキャラクター。そんな子どもたちの絵を記念としてトートバッグやマグカップ、プラスチックのキーホルダーにするサービスは聞いたことがありますが、ぬいぐるみにすることができるなんて……!自分の描いた絵から生まれたぬいぐるみを見て喜ぶ子どもたちの様子を想像すると、なんだか楽しくなってきます。調べてみると、どうやら芦屋にある「エソラワークス」という会社が作っているとの情報を発見。さっそくエソラワークスのアトリエを訪ねることにしました。

アトリエは、深い緑の素敵なログハウスです
アトリエは、深い緑の素敵なログハウスです

芦屋の山を車でぐんぐん上った先にあったのは、おしゃれなログハウス。ちょうど代表の白石さんとぬいぐるみクリエイターさんが、ぬいぐるみづくりの打ち合わせをしているところでした。

写真左:製作スペースの外からは小鳥のさえずりが聞こえます、写真右:これから子どもたちのもとに届けられるぬいぐるみたち
写真左:製作スペースの外からは小鳥のさえずりが聞こえます、写真右:これから子どもたちのもとに届けられるぬいぐるみたち

子どもたちの絵からそのまま飛び出してきたようなぬいぐるみたちは、手に取ってみるととても丁寧に作られているのがわかります。

子どもの描いた絵が、こんな風にぬいぐるみになります。かわいい!
子どもの描いた絵が、こんな風にぬいぐるみになります。かわいい!

白石さんが、ぬいぐるみづくりについて説明してくれました。「当社は、子どもが描いた絵をぬいぐるみにする『クリッチャ』というサービスを実施しているんです。クリッチャというのは、クリエイト+オモチャの造語なんですよ。子どもの絵や落書きの個性を生かしながら、それをぬいぐるみとして立体的に表現できるように、私が設計図を描いて、さまざまな素材感の生地を組み合わせながら、ぬいぐるみクリエイターが仕上げていきます。見た目だけでなく、子どもたちがぬいぐるみを抱っこしたときに気持ちいいと感じられる肌ざわりにもこだわってるんですよ」。

①届いた子どもの絵、②白石さんによる設計図、③クリエイターの手によって完成したぬいぐるみ
①届いた子どもの絵、②白石さんによる設計図、③クリエイターの手によって完成したぬいぐるみ

クリッチャのすごいところは、ちゃんと描かれた絵はもちろん、色が塗られていない絵や落書きからでもカラフルなぬいぐるみを作ってくれるところ。描いたときの様子などを保護者の方にお聞きしてヒントにしながら、想像を膨らませてぬいぐるみにしていくそうです。絵だけでは見えない後ろ側も、この子ならどう描くか、どう作ったら喜んでくれるかなどを考えてアレンジしていきます。ここが、白石さんとぬいぐるみクリエイターさんの腕の見せどころ!ぬいぐるみづくりは、裁縫が得意なだけではなく、アレンジ力や遊び心がある人にしかできないんですね。

背中の羽の中央にあるハートは白石さんのアレンジです
背中の羽の中央にあるハートは白石さんのアレンジです

ところで、白石さんはどういうきっかけでぬいぐるみづくりを始めたのでしょうか。「友人の家で、手作りのタペストリーを目にしたんです。それはお子さんが描いた絵をもとに、おばあさんが刺繍してくれたものでした。その話を聞いたとき、すごく温かい気持ちになって……。私も、当時2歳だった自分の娘に何か作ってあげたいなぁと思ったんです」。

とはいえ、ミシンの使い方などはまったく分からなかったという白石さん。奥さんに教えてもらいながら、娘さんの描いた妖精の絵からぬいぐるみを作ってみました。それを見た娘さんは、一瞬キョトンとした顔をしましたが、自分の描いた絵のぬいぐるみだと分かると、大喜びしてくれたそうです。そんな娘さんの姿を見て、友人の子どもたちにもぬいぐるみを作ってプレゼントする内に、友人たちから「こんなサービスがあったら、喜ぶ人多いと思うで」という声が少しずつ上がってきました。「こんな素人が作ったぬいぐるみが売れるのか……」という気持ちもありましたが、「もっといろんなぬいぐるみを作って、たくさんの子どもを喜ばせたい!」という思いで、副業としてぬいぐるみづくりをスタート。はじめの半年間は、注文はたった数個しかありませんでしたが、その後テレビで取り上げられたことをきっかけに、今では年間300~400体までに注文が増えました。

白石さんの娘さんの絵を元に作られたぬいぐるみ
白石さんの娘さんの絵を元に作られたぬいぐるみ

ここで白石さんは、サービスをやっていく上での苦労を笑いながら教えてくれました。「注文は増えたものの、オーダーメイドのぬいぐるみづくりって、手間がすごくかかるので、実はお金の面では厳しいところがあるんです。それでも続けているのはお客さまが喜んでくれるから。手紙やメール、動画などでいただく感謝のメッセージが、私たちの原動力になっています」。

お客さまから送られてきたメッセージはスタッフ全員の原動力に
お客さまから送られてきたメッセージはスタッフ全員の原動力に

探偵たちが、壁に貼られたお客さまからの感謝のメッセージを見ていると、すぐ側に何やらカラフルなぬいぐるみたちを発見!白石さんは「これは、メキシコに住んでいる方からのご依頼なんです。実は、最近日本だけではなく、海外からも依頼が来ることがあるんです」と教えてくれました。明るい色使いがメキシコっぽいですね!他にも、アメリカに住むお孫さんへのお誕生日プレゼントとしてのご依頼も。おばあさんが、日本からアメリカに直接ぬいぐるみを届けるとお孫さんは大喜び。周りの大人たちも「日本にはこんな素晴らしいサービスがあるのね。さすが!」と感心していたそうです。

メキシコに住む兄弟が描いた「太陽モンスター」と「女の子ピエロおばけ」
メキシコに住む兄弟が描いた「太陽モンスター」と「女の子ピエロおばけ」
粘土細工から作られたタコのぬいぐるみ。お孫さんも嬉しそうですね!
粘土細工から作られたタコのぬいぐるみ。お孫さんも嬉しそうですね!

2013年、クリッチャのサービス開始と同時に設立されたエソラワークス。この社名には、子どもたちが考えた絵空事(絵に描く空想)を実現させるという意味が込められています。子どもたちが描いた絵からぬいぐるみを作るクリッチャもそのひとつ。白石さんは、ご自身の思いをこう話してくれました。「子どもたちには、自分の想像力を宝物のように大事にしてほしいと考えています。『想像したものがカタチになる』という体験を通して、自分で何かを作り出そうとする人になってほしいです」。

「自分で何かを作り出す人に育ってほしい」という思いを込めて設計図を描く白石さん
「自分で何かを作り出す人に育ってほしい」という思いを込めて設計図を描く白石さん

ミシンも使ったことがないお父さんがはじめた、子どもの絵からぬいぐるみを生み出すサービス「クリッチャ」。自分が描いた絵がぬいぐるみになる特別な経験は、子どもたちの記憶にずっと残り続け、さらに子どもたちの想像力を育む手助けになってくれるでしょう。今日も、ぬいぐるみたちと一緒に「子どもたちの想像力を大切にして伸ばしたい」という白石さんの思いが日本中へ、さらには世界中へと届けられています。ぬいぐるみを手にした子どもたちの嬉しそうな表情を思い浮かべつつ、その子たちの将来がなんだか楽しみになってきた探偵たちでした。

これからも、ステキなぬいぐるみを生み出すエソラワークスに注目!
これからも、ステキなぬいぐるみを生み出すエソラワークスに注目!
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