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和歌山の猫駅長は今!?

2017/10/16
依頼内容

人気のたま駅長がたま二世駅長ニタマに代わってしばらく経ちますが、元気にしているのでしょうか?

和歌山駅と紀の川市にある貴志駅を結ぶ、全長14.3kmの和歌山電鐵貴志川線。2007年、貴志駅に駅長として就任したのが、三毛猫の「たま」でした。たまが駅長になったきっかけは、たまが住んでいた猫小屋が公道に置かれていたため、立ち退きを迫られたことです。困った飼い主が社長の小嶋さんに「猫たちを駅の中に住まわせてもらえないか」と直談判をしたところ、たまからも「駅長をやるんで住ませてください!」という声がしたそうです。小嶋さんはそこでたまを駅長として抜擢することに。


それからたまは、民間鉄道で初の猫駅長としてたちまち国内外に知れ渡り、田舎の小さな駅に多くの観光客がやって来たことで、経営難にあえぐ貴志川線の救世“猫”となり、異例のスピードで社長代理にまで出世しました。2015年にたまは神様となり、その後「たま二世駅長」として貴志駅長に就任したのが、たまの部下だった三毛猫の「ニタマ」です。探偵たちはニタマに会いに、貴志駅へと向かいました。

異例のスピード出世で、最終的に「社長代理」にまでのぼりつめた“たま”
異例のスピード出世で、最終的に「社長代理」にまでのぼりつめた“たま”

和歌山電鐵の和歌山駅改札口は、JR和歌山駅の9番ホームにあります。しばらく待っていると、なんともかわいい「たま電車」が入線。この車両は九州を走る豪華クルーズトレイン「ななつ星」をはじめ、鉄道界の常識を打ち破る奇想天外なデザインの車両を次々と生み出している工業デザイナーの水戸岡鋭治さんが手がけたものです。

茶色と黒のぴょこんとした猫耳つき!
茶色と黒のぴょこんとした猫耳つき!

たま電車のボディには寝転んだり、おすまししたりと、表情豊かなたまがなんと101匹!車内は、白・黒・オレンジと三毛猫のたまを意識してカラーコーディネートされています。ベンチの背もたれは猫のシルエットに切り抜かれていたり、猫型のライトが配されていたりと、かわいさ満点!たまのレリーフが飾られた「駅長室」や「たま文庫」と書かれた本棚が備えられているのもユニークです。ニタマに会いたい気持ちがどんどん高まります。ワクワク……。

見ているだけ、乗っているだけでも十分楽しい
見ているだけ、乗っているだけでも十分楽しい

約30分間、ガタゴトと揺られながら貴志駅に到着。たま電車と同じく水戸岡さんによるデザインの駅舎は、猫の顔がモチーフ。駅舎の檜皮(ひわだ)ぶき屋根は、高野山の金剛峯寺なども手がける腕利きの檜皮ぶき職人さんが、「たま駅長のためなら」とふいてくれたもの。猫の目や口の部分の優しい曲線を表現するには、熟練の技術が必要だとか。

たま駅でも猫駅でもなく貴志駅です
たま駅でも猫駅でもなく貴志駅です

さてニタマは……、いました!改札を出て右手にある駅長室で執務中です。カメラを構えても物おじしない、堂々たる駅長ぶり。ペルシャ猫のようにゴージャスな長毛がチャームポイントと聞いていましたが、夏の暑さ対策でカットしてしまったそう。

ぱちくりおめめの美猫駅長です
ぱちくりおめめの美猫駅長です

「ニタマは岡山の国道を歩いていて車に轢かれそうになっていたところを、通りかかった女性に保護されたんです。その後、和歌山電鐵の親会社である岡山電気軌道に引き取られ、観光センターの事務所で受付嬢として暮らしていましたが、高齢で多忙なたま駅長の手助けをするために2012年に転勤してきました」と話してくれたのは、広報担当の山木さんです。

山木さんとマイマイ姉妹がニタマの前でにっこり
山木さんとマイマイ姉妹がニタマの前でにっこり

「実は今年1月、駅長見習いとして“よんたま”が新加入したんですよ」と山木さんが教えてくれたので、それはぜひ会わねばと思った探偵たち。たま電車に乗って、勤務先の伊太祈曽(いだきそ)駅へと移動しました。


口元の黒いブチがトレードマークのよんたまは、まだ1歳。キャットタワーを上ったり下りたり、キャットウォークを左へ右へと元気に歩き回っています。

「新入社員のよんたまです。よろしくね!」
「新入社員のよんたまです。よろしくね!」

たま駅長のデビュー以降、和歌山電鐵には猫を保護した方から、引き取ってほしいという依頼が舞い込むようになりました。2016年春、和歌山市内の女性がよんたまを保護して、引き取り手を探していたところ、ご縁があって社長面接を受けることに。その結果、よんたまは他の猫と比べて「人を嫌がらない」「すぐ帽子を外そうとしない」などの厳しい審査をクリアしたことで、駅長見習いとなりました。今は伊太祈曽駅で、火・水・木・土・日曜の10時から16時まで勤務しています。


ちなみに、よんたまが「さん」ではなく「よん」となったのは、岡山電気軌道に、PR役&「おかでんミュージアム+水戸岡鋭治デザイン」の館長代理を務める、同じく保護猫の「SUN(サン)たまたま」がいるため。

ニャーニャーとかわいい声でご挨拶
ニャーニャーとかわいい声でご挨拶

たま、ニタマ、よんたまたちのおかげで、引き継ぎ当初は年間192万人だった乗客数が徐々に増加し、現在では約230万人を達成。「駅舎を訪れた小学生から感謝の手紙が届いたり、沿線の住民の方々が駅のお掃除やイベントの手伝いを自主的にしてくれたりと、地域の人に愛されていることをひしひしと感じます」と山木さんは言います。

心あたたまるメッセージがニャンともいっぱい
心あたたまるメッセージがニャンともいっぱい

たま駅長は招き猫として多くの観光客を呼び寄せただけではなく、人の心をも招いたのかもしれません。そんなたまの心意気を引き継ぐ、ニタマやよんたまに会いに、貴志川線に乗ってみてはいかがでしょうか?

また会いに来るね~♪
また会いに来るね~♪

電車・駅舎 デザイン
DESIGNED BY EIJI MITOOKA+DON DESIGN ASSOCIATES
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