マイ大阪ガスは、2021年3月にポイント制度などのリニューアルを行いました。この記事はリニューアル前のもののため、ポイント関連の記述を含め、記述内容が古い場合がございます。あらかじめご了承ください。

炎の探偵社

ログインして調査を依頼

調査FILE

4

6

宇宙と交信している!?
ザ・昭和レトロな
「長浜タワービル」に迫る!

2017/08/07
依頼内容

滋賀県長浜市にある「黒壁スクエア」に行く途中に、謎のレトロなビルがありました。これってなんの建物ですか?

古い建物などを改装したガラスの工房やカフェなどが立ち並ぶ観光スポット「黒壁スクエア」。その入口あたりに位置するレトロなビルが、知る人ぞ知る隠れた名所「長浜タワービル」。タワーなのかビルなのかよくわからない名前がすでに謎ですが、とにかく行ってみることにしました。

有名な黒壁ガラス館。右奥の長浜大手門通りを中心にした「黒壁スクエア」は、人気観光スポット
有名な黒壁ガラス館。右奥の長浜大手門通りを中心にした「黒壁スクエア」は、人気観光スポット

長浜駅から伸びている道をまっすぐ行くと、3分と歩かないうちになにやら古びた大きな建物が見えてきました。壁は白っぽく、窓枠やベランダの装飾はくすんだ赤で、建ったばかりのころはきっとかなり派手だったのでは、と感じさせます。黒壁スクエアは、江戸から明治にかけて建てられたシックで風情のある建物が美しい街並みとなっています。ところが、そのそばにある長浜タワービルはまったく違う雰囲気で、このビルだけ「昭和の香りがプンプンする」異彩を放つたたずまい。伝統的な日本家屋の前に、太陽の塔が設置されているくらいのギャップがあります。

ザ・昭和な雰囲気で特撮映画の世界のような長浜タワービル
ザ・昭和な雰囲気で特撮映画の世界のような長浜タワービル

ビルの正面には英語で書かれた大きな看板があります。読んでみると、「NAGAHAMA TOWERBILL」。ん?何かちょっと変だぞ。このつづりでいいんだっけ?その看板のさらに上、屋上には電波塔らしきものが立っていますが、いったい何の電波を発しているのやら。電波塔には鉄製の輪っかがついていて、なんだかちょっと近未来っぽい感じ。もしかしたら、宇宙との交信手段!?と妄想がどんどん広がっていきます。

看板と電波塔。看板は、頭文字から横にラインが伸びていてキッチュなデザイン
看板と電波塔。看板は、頭文字から横にラインが伸びていてキッチュなデザイン

1階は居酒屋さんと串カツ屋さんが営業しているのですが、2階から上は表から見る限り営業していない雰囲気。どこかから屋上に上がれないかなと探偵たちがうろちょろしていると、「2階より先は上がれないんですよ」と教えてくれる人がいました。お隣で布地屋さんを営む「但馬屋」の男性店主、伊藤さんです。伊藤さんによると、建物が老朽化して、1階にしか入れないそうです。

親切に教えてくれた隣の但馬屋さん。写真は恥ずかしい!とのことだったので、お店をパシャリ
親切に教えてくれた隣の但馬屋さん。写真は恥ずかしい!とのことだったので、お店をパシャリ

ビルがオープンしたのは、1964年。5階建ての建物で、当時このあたりで一番高いビルだったそう。「1階はオープン当初から今まで、ケーキ屋、カメラ屋、寿司屋、ドーナツ屋、ホルモン焼き屋、洗濯物の取次所、カバン屋、婦人服屋など、本当にいろんなお店が入ってましたね」と当時を懐かしむ伊藤さん。2階は喫茶店になっていたそうですが、「商売っ気抜きのサロンというか、多くの人が交流する社交場のようになっていました」とのこと。4階から外付けの階段が伸びていて、それを上ると5階の展望台にたどり着けるようになっていました。伊藤さんは子どものころ、展望台に上がったことがあるそうです。

2階の長いカーテンが喫茶店っぽい?
2階の長いカーテンが喫茶店っぽい?

「その外付けの階段についている、手すりがあまりにも低いから怖くてねえ。展望台は船のデッキみたいな感じでしたよ。そこも柵がひざ下くらいまでしかなかったから、落ちたらどうしようとビクビクしました。50円くらいの入場料を払えば、屋上まで行けたかな」と当時を思い出してくれました。

○で囲んだところが階段。確かに、手すりは細くて低くて怖いかも
○で囲んだところが階段。確かに、手すりは細くて低くて怖いかも

ところで、この電波塔は何の電波を発信しているかお聞きしたら、何も発信していないとのこと!あぁー、やっぱりそうなのか。ガックリ。実は十数年くらい前までは、正面に2mくらいの大きなバラの飾りもついていたそうですが、それは老朽化してぐらついてきたため撤去されたそう。できた当初からインパクトのある建物だったのは、オーナーがハイカラ好きだったからと語る伊藤さん。なるほど、それを聞くとあの正面の「NAGAHAMA TOWERBILL」という大胆な看板もうなずけます。


ところで、何かおかしいと思った「NAGAHAMA TOWERBILL」の「BILL」って、よく考えると勘定書きとか請求書の意味で、普通は「TOWER BUILDING」じゃないの?とようやく気づいた探偵。伊藤さんにもお聞きしてみましたが、これについてはご存じないそうです。でも、建物横のシャッターの上には、「Building」という文字がある!ずいぶん個性的なオーナーだったようだから、これも遊び心ってヤツ?

建物側面の入口には「Tower Building」と書いてあります!
建物側面の入口には「Tower Building」と書いてあります!

ビルを建てたオーナーにこの疑問をぶつけてみたいところですが、すでに亡くなられているため、直接聞けないのが残念。オーナーは生前チョビひげをたくわえていて、通称「ヒゲさん」として親しまれていたそうです。


「NAGAHAMA TOWERBILL」の核心に迫ってみたものの、電波塔からは何も出てないことが判明。「BILL」と「Building」の謎も解けませんでしたが、かつてあったという大きなバラの飾りといい、遊び心あふれるビルだということはよくわかりました。黒壁スクエアに寄ったときには、こちらにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

展望台からの眺め、どんな感じだろうな~!
展望台からの眺め、どんな感じだろうな~!
調査完了
今回取材したところはこちら
長浜タワービル
  • 炎の探偵社では「関西にまつわる疑問や気になること」を募集しています。
    あなたのギモンをお聞かせください。
    投稿の中からセレクトして「炎の探偵社」が調査します!
  • ログインして調査を依頼

※当サイトのコンテンツの二次利用はご遠慮ください。