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炎の探偵社

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神戸のメロンパンはオムライスって??
謎すぎパンの真実が知りたい

2017/03/06
依頼内容

神戸のメロンパンは、普通のメロンパンと形が全然違っていて、中に白あんが入っているパンのことみたいですが、なぜそんなに違うのですか?

メロンパンといえば、丸いふわふわのパン生地にマスクメロンのような網目をつけたビスケット生地をかけて焼かれたパン。日ごろから探偵社の張り込みや調査のおともとして活躍してくれている定番です。しかし、今回の依頼によると神戸のメロンパンは、どうやら普通のメロンパンとは違っているようです。調べを進めていき、たどり着いたのは、1921年から神戸の人々のくらしに寄り添ってきた、コープこうべさん!

コープこうべさんのオリジナル商品とパシャリ!
コープこうべさんのオリジナル商品とパシャリ!

今回の調査に協力してくれたのは、コープこうべの食品工場に勤務すること34年になる岸戸工場長です。メロンパンに限らず、コープこうべのことならなんでも知っている大ベテランです。メロンパンの製造工程を見せていただけるということで、作業着に着替えて工場へ潜入してみました。

工場はメロンパンづくりの真っ最中
工場はメロンパンづくりの真っ最中

コープこうべで製造しているのは「神戸ハイカラメロンパン」という名称の商品で、見た目だけでなく、味もいわゆるメロンパンとは全くの別物です。パンの中には、マーガリン入りの白あんがたっぷり詰まっています。工場へ潜入してみると、1次発酵、2次発酵を終えた生地に、白あんを詰めている作業の真っ最中。

中身は白あんがたっぷり
中身は白あんがたっぷり

白あんを詰め終えた生地は、成形後に型をかぶせるのですが、これがオムライスのときに使うのと同じ型!パンの表面に縞模様の焦げ目がつくよう、型に熱を加えているそうです。なぜオムライスの型がここで登場?

手早く生地にサラダオイルを塗って型をかぶせる
手早く生地にサラダオイルを塗って型をかぶせる

型をかぶせた生地は温度38度の部屋で最終発酵させて、15メートルのオーブン(210度)で10分かけてじっくり焼いていきます。

甘く香ばしい香りが漂います
甘く香ばしい香りが漂います

焼成後、型を外したパンは、らせん状のベルトコンベアで30分かけて冷ましながら、下の階へと流されていきます。

外はふわふわ、中はトロトロのメロンパンはいくつ食べても飽きない味です!

焼きたては、まさにオムライス型!
焼きたては、まさにオムライス型!

製造工程を見学した後は、このメロンパンについて工場長の岸戸さんに教えてもらいました。「神戸ハイカラメロンパン」がコープこうべで製造され始めたのは、約65年前から。コープこうべの前身である神戸消費組合に後藤又右衛門さんというパン職人さんがいて、何かユニークなパンがつくれないかと、頭を悩ませていました。そんなときにたまたま訪れた三宮の道具屋で発見したのが、当時流行していたオムライス用の型!


「これをパンに使ったら面白いかもしれない」と思い、新しいパンの開発に取り組んで誕生したのがこのオムライス型メロンパンだったのです。このパンが、日本に古くから渡来したと言われるメロンの一種、マクワウリの縞模様の入った楕円形の外観によく似ていたため、「メロンパン」と名づけたのだそうです。オムライスなのにメロンパンなのは、こういうわけだったんですね!

ズラリと並んだメロンパンは圧巻!
ズラリと並んだメロンパンは圧巻!

実は、岸戸工場長は岡山県出身なので、工場に勤め始めた当時、メロンパン=丸型という概念をお持ちでした。そのため、先輩からメロンパンの準備をするよう頼まれて、丸型メロンパンの材料を揃えてしまい、よく叱られたと語ってくれました。

「叱られたのもいい思い出ですね」と岸戸工場長
「叱られたのもいい思い出ですね」と岸戸工場長

そのまま食べてもおいしい神戸ハイカラメロンパンですが、工場長がすすめる一番美味しい食べ方は、電子レンジで10~15秒ほど温めてから食べること。こうすると、焼き上がり直後に近い味わいと食感が再現できるそうです。コープこうべでは、「神戸ハイカラメロンパン」「ミニハイカラメロンパン」「黒糖メロンパン」など、オムライス型メロンパンのシリーズだけで、1日約1万個を売り上げるというから驚きです。また、神戸にはオムライス型メロンパンを販売しているお店が、コープこうべ以外にも何店舗もあるそうです。

ふわふわな生地とトロトロの白あんが絶妙にマッチ
ふわふわな生地とトロトロの白あんが絶妙にマッチ

全国でも神戸以外では、一部地域でしか販売されていない、オムライス型メロンパン。中に入った白あん同様に、つくり手の思いがたっぷり詰まったメロンパンですが、岸戸工場長によると、「神戸の子どもでオムライス型メロンパンを知っている子どもが少なくなってきた」とちょっとさびしそうでした。それでも、オムライス型メロンパンの製造数は製造開始当時からずっと変わっていないそうです。おそらく、世代を超えて愛されている証なのでしょう。「新しい味の開発などを通してもっと多くの人にもこのメロンパンを知ってもらえたら」と語る岸戸工場長の熱い思いは、オムライス型メロンパンの甘い香りとともに、これからもきっと多くの方の元へ届くことでしょう。

メロンパンの甘い香りに包まれた幸せな一日でした!
メロンパンの甘い香りに包まれた幸せな一日でした!

実は……
神戸には丸型のメロンパンもあります。ただし、こちらのパンは「サンライズ」もしくは「サンライス」と呼ばれています。なぜそうなっているのかと言うと、「日の出を思わせる姿から」など、諸説ありますが、それはまた別のお話。

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