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奈良土産には、おいしい
「鹿のふん」を?!

2015/10/19
依頼内容

奈良のお土産「鹿のふん」は、いつ頃から誰が作ったのですか?

奈良といえば、大仏さん、春日大社などたくさん有名なシンボルがありますが、負けず劣らず奈良公園の鹿も有名ですね。鹿は春日大社のお使いで、古くからご当地のみなさんに手厚く保護されていて、ぞんざいに扱うと厳しい刑罰を受けたとか。今日はそんな奈良に向かい、「鹿のふん」のお土産について調査したいと思います。

さっそく“ふん”じゃってますね。
さっそく“ふん”じゃってますね。
奈良といえば鹿。鹿といえばふん(本物)
奈良といえば鹿。鹿といえばふん(本物)

今日も観光客でにぎわう奈良公園。東大寺に向かう道すがら、気になるお土産屋さんを発見。その名もずばり「鹿屋(しかや)」さんです。こちらの創業は明治10年。120年続く老舗で、もともと「鹿乃子茶屋」というお名前でしたが、大正初頭に屋号を「鹿屋」に改名したそうです。

鹿屋さん。店舗内のせんとくんにも鹿のツノが。
鹿屋さん。店舗内のせんとくんにも鹿のツノが。

お店の中には、鹿をモチーフにしたお土産がたくさん。「鹿のデカうん」や「鹿の鼻くそ」など、たくさんのバリエーションがあります。とことん鹿と一緒にやっていこう!という気概を感じるラインアップです。

鹿とともにあるお店です。
鹿とともにあるお店です。
こちらが鹿のふんのお菓子。左は醤油味。右のチョコは本物そっくり。
こちらが鹿のふんのお菓子。左は醤油味。右のチョコは本物そっくり。

店主さん曰く、鹿のふんをネタにしたお菓子は修学旅行生を中心に大人気。ギャグとして買っていく人も多いのだとか。最近増えている海外からの観光客のみなさんは、路上のふんとそっくりなリアルな見た目にびっくりされるそうです。取材の際に、東大寺への参道を歩く海外からのお客さん数人に「これ食べてみる?」と話しかけてみましたが、返事は”NO THANKS”・・・道にたくさん落ちているからでしょうか。


さて、今回のご依頼は「鹿のふんのお土産を、いつから誰が作ったのか」でした。そこで、お次は「鹿屋」さんに教えてもらったメーカーさんに向かいました。

看板には「豆菓子」。つまり鹿のふん。
看板には「豆菓子」。つまり鹿のふん。

鹿のふんのお菓子メーカー「久保田商店」さんに到着。鹿のふんのお菓子を考えた久保田隆一さんにお会いすることができました。久保田商店の二代目で、元は学校の先生です。

やさしくて元気なおじいちゃん
やさしくて元気なおじいちゃん

こちらで作られている鹿のふんのお菓子の正式名称は「御神鹿(ごじんか)のふん」といいます。この「御神鹿のふん」が生まれたのは昭和63年頃で、きっかけはテレビ。人気番組「笑っていいとも」の明石家さんまさんのコーナーで、吉永小百合さんが歌う「奈良の春日野」の一節で、鹿のふんを「黒豆」に見立てて歌っているのが話題になりました。

久保田さんは、それを見ていた知人から話を聞き「ほな、ためしに作ったろ」と試作をスタート。まずは試作品を100個くらい作り、なんだか某タレントに似たキャラが印刷されたパッケージにくるんでテスト販売しましたが、あっという間に売り切れ。じゃあもう200個、と売ってみたところこれもすぐに売り切れ!「こら、ほんもんや」ということで、本格的に販売をスタートしました。

さらに、この話を聞きつけたさんまさんが「俺たちひょうきん族」でみずから鹿の着ぐるみをかぶって、話題はヒートアップ。そして、ついにさんまさんは鹿屋さんにいらっしゃって「これは俺ちゃうで」とご本人でないことのお墨付き?をもらいました。

パッケージに、あの人に似たキャラクターを発見
パッケージに、あの人に似たキャラクターを発見

その後「御神鹿のふん」は口コミだけで広がり、久保田さんはリアルな鹿のふんに少しでも近づけるために研究開発を重ね、チョコ味を発売。奈良公園を訪れる観光客から愛され続けた結果、発売開始から30年近くたった現在でも久保田商店の売り上げの8割を支えてくれるロングセラー商品に育ちました。

食べはじめると止まりません。
食べはじめると止まりません。

ちなみに、久保田さんが「御神鹿(ごじんか)のふん」と名づけたのは、ご商売もさることながら奈良公園のシンボルである鹿を大切に思う気持ちから。テレビ番組と地元のお店のコラボが生んだお菓子は、鹿への敬意と愛情がうんと詰まっています。

協力いただいたみなさん、ありがとうございました
協力いただいたみなさん、ありがとうございました
調査完了
今回取材したところはこちら
株式会社鹿屋 
有限会社久保田商店
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