ウリなのに売ってない?
「そうめん瓜」を探せ!
2015/09/14

夏ごろ、実家のお母さんがそうめん瓜の料理をつくってくれますが、大阪のスーパーではそうめん瓜をみたことがありません。どこで入手できるんでしょうか?
みなさん、「そうめん瓜」ってご存じでしょうか。たしかに、日常生活ではなかなか見かけない野菜ですね。まずは近所の八百屋さんに足を運んでみましたが、やはり見当たらず・・・。店主さん曰く「もちろん知ってるけど、うちでは仕入れてないよ~。市場に行けばあるかも?」とのこと。
そこで、大阪市福島区の「大阪市中央卸売市場」に向かいました。野菜や果物、水産物などが取り扱われていて、取扱高は東京都の築地市場に次いで日本国内第2位の大きな市場です。

卸売市場の中をそうめん瓜を探してまわった結果、大果大阪青果株式会社 野菜部の永田さんが、そうめん瓜を持ってきてくれました。こちらの会社は生産者や農協から仕入れを行う「荷受会社」。荷受会社は、さらに小売業者やお店へ販売する「仲卸(なかおろし)」へ仲介を行っています。野菜部の中でもレタスは誰々、ナスは誰々というように分担が決まっていて、永田さんは「変わった野菜」担当です。

そうめん瓜はカボチャの仲間で、その多くが岡山・石川・長野県産です。岡山では「そうめんなんきん」、石川だと「金糸瓜(きんしうり)」と呼び方が異なります。関西では、料理屋さんなどへの販売が中心。そうめんのように調理されて食べることが多く、ひとつまるまる目にする機会はなかなかありません。また、メインの食材として提供されることは少なく、お刺身の食用菊や紅たでと同じように、プロの間では「飾りもの野菜」と呼ばれています。

そうめん瓜は名前の通り、そうめんと同じように麺つゆにつけていただく食べ方が主流。輪切りにしたそうめん瓜のワタと種を取り、沸騰したお湯で茹で、やわらかくなったら実の繊維を水の中でほぐして、そうめんのようにして食べるそうです。
そこで、せっかくそうめん瓜に出会えたので、自分たちでも実際に作って食べてみました。


ほぐすのは面倒かなと思いましたが、意外にカンタン。ポロポロと気持ちよくほぐれます。

冷やしためんつゆにつけていただくと、シャキシャキとして夏らしい味わい!ほぐす作業も楽しく、タレを工夫するだけでいろいろなアレンジができそうです。

歯触りもよく低カロリーでおいしいのに、スーパーや八百屋さんであまり見かけないのはなぜでしょう?永田さんに質問してみました。
「レシピが少なく食べ方も限られていて、一つまるまる大きなそうめん瓜で売ってもご家庭だと余ってしまう。だからスーパーなど一般向け流通では取り扱っていないのでは?」というのが、永田さんの見解。また、そうめん部分の繊維が千切れないようにうまく扱わないといけない、そもそもお客さんが見慣れていない、など、「ウリなのに売りづらい」理由がいくつかあるようです。

そうめん瓜がほしい場合は、スーパーを探し回るよりも大阪市中央卸売市場の仲卸業者さんにお願いすれば、個人でも購入することができます。ただし時期は夏が中心なのでご注意を!念のため、事前にお問い合わせくださいね。

