Vol. 11
名店グルメ「京中式 牛生ハム 禄 スライス」
「京中式熟成」と呼ぶ独自の熟成法で、牛肉が本来持つ旨みを最大限に引き出し、提供している京都の人気精肉店『京中』。「牛生ハム 禄（ろく）」は、その熟成肉の繊細な香りと味わいを守るため、塩分濃度と燻製時間をギリギリまで抑えてつくった“新しい肉料理”とのこと。二代目店主・加藤謙一さんに、そのおいしさについてお話をうかがいました。
代表取締役加藤 謙一（かとう・けんいち）
1982年京都生まれ。『京中』二代目店主。米国コロラド州立大学でミートサイエンス修士号を取得。熟成肉の再定義に向けて、共同研究で肉への知見を深めるとともに、講義等でその魅力を外に発信していく活動もおこなっている。
京中（きょうなか）
1981年創業の精肉店「京都中勢以」が、2019年に「京中」へと屋号を一新。牛肉が本来持つ「食感・味わい・香り」を最大限に引き出した熟成肉には、一流シェフからも厚い信頼を寄せられている。
「牛生ハム 禄」はどのような商品でしょうか？
穏やかな薫香とともに、熟成させた牛肉の豊かな風味をお楽しみいただける生ハムです。牛肉のおいしさは、血統や品種だけではなく、与える飼料や水、畜舎の環境などによっても大きく変わります。ですので「禄」は、少数頭飼いで丁寧に育てられた「但馬牛」を使用。多数頭飼いで育てられた牛とは比べ物にならないほどの深い旨みを持つその牛肉を、さらに時間をかけて熟成させてから生ハムにした「禄」は、かみしめるほどに上質な肉の旨みと甘みが口の中で溶け合います。大きな特徴は、飲み込んだあとも余韻が続く豊かな熟成香。リピーターも多く、店舗でも人気の商品になっています。
生ハムにする前になぜ熟成されるのでしょうか？
お肉の旨みは、タンパク質が分解されてアミノ酸になることで感じられるもの。一定期間熟成させることで、その旨みを最大限に引き出せるんです。ちなみに現在の市場では、さばいた肉を真空状態にして熟成させる方法が主流ですが、京中では牛一頭をまるまる熟成庫に入れて熟成させています。作業効率を考えるとさばいてから真空状態にしたほうがいいのですが、たとえば、リンゴは切ってしまうと、切らずに置いていたときより風味が落ちてしまうように、牛肉もさばいてから熟成すると風味が損なわれてしまいます。おいしいお肉を提供するためには、たとえ手間ひまがかかるとしても、やってしかるべきことだと考えています。
「禄」には、その熟成へのこだわりが風味となってあらわれているんですね。
そうですね。熟成により、常連のお客さまからも「これこそ京中の肉！」といっていただける風味が、きちんと残った仕上がりになっています。
熟成が終わったら、次は肉を切り分け、塩漬けと燻製へと進むのですが、これを担ってくれているのが、日本料理の元職人さん。繊細な味つけが得意で、部位によって細かく塩加減を変えたりと本当に丁寧な仕事をしてくれます。最後に、肉を再び熟成庫に入れて、さらに熟成させた末にようやく完成です。一つひとつの工程に手間ひまをかけているので、完成までに半年ほどかかるんですよ。
今、この記事を読まれている方にメッセージをお願いします。
京中はできるだけたくさんの方に、牛肉のおいしさを伝えたいと考え、さまざまな商品を提案しています。そして、この「京中式 牛生ハム 禄 スライス」は、私が理想とする牛肉本来の味と香りを感じることができる、新しい肉料理として、自信を持って開発した逸品です。ぜひ、一度ご賞味いただき、「京中のほかのお肉も食べてみたい」と感じてもらえれば幸いです。「禄」を入口に、大阪ガスを通じて多くのお客さまと新たに出会えることを期待しています。
いつも「こだわりぐらしの逸品」をご覧いただき、誠にありがとうございます！
「京中」さまのお店にうかがった際、まるで高級ブティックのような内外装や、お客さまごとにヒアリングしながら最適の商品を提供しているサービスに感動いたしました。
今回紹介した「京中式 牛生ハム 禄」を実際に食べてみると、口に入れた瞬間に和牛のふんわりとした甘さと、鼻腔をくすぐる上品な香りが立ちのぼり、仕事を忘れ少し惚けてしまいました。個人的な感想ですが、繊細な味を引き立たせる軽めの赤ワインや、キリっとした辛口の日本酒にぜひ合わせたい逸品です！
一般的な豚の生ハムと異なる、とろけていく食感と和牛特有の風味が、きっと皆さまを虜にしてくれることでしょう！値段負けしない“こだわりの逸品”をぜひご賞味ください！
