Vol. 09
まだ食べられる食品が廃棄されてしまうフードロスが社会的な課題となっているなか、「お得に楽しくフードロスの削減に貢献!」をスローガンに立ち上げられたサービスがTSUNAGU tableです。スローガンどおり、「お得」と「楽しさ」を詰め込んだ福袋形式のパック商品は、お客さまの90%以上が満足されているとのこと。多くのお客さまから支持されている人気福袋の魅力について、落合隼太さんにお話をうかがいました。
中部電力ミライズコネクト事業開発部主任落合 隼太(おちあい・しゅんた)
TSUNAGU table担当として、メーカーとの交渉から商品のパッケージング、販売サイトの運営まで、さまざまなシーンでその手腕を発揮している。
TSUNAGU table
フードロスに悩むメーカーと、おいしくてお得な商品をお求めのお客さまをつなぐサービス。買うだけで社会に貢献できると同時に、あけてびっくり福袋形式の楽しいパッケージ等で高い満足度を獲得。
「多様化する社会のなかで、お客さまの暮らしに寄り添ったサービスを提供していきましょう」それが、私たち中部電力ミライズコネクトがかかげるミッションのひとつです。電気事業会社と思われがちですが、エネルギー事業を通じて培った技術力や提案力をいかし、お客さまの暮らしを豊かにしたいと考えています。その一環として食に関するサービスの立ち上げを検討するなかで、たくさんの食品メーカーとお話をさせていただく機会がありました。その過程でフードロス問題の深刻さに気づかされたんです。
日本国内では、年間でどれだけの食品が廃棄されているかご存じですか?私はこの数字を知って大変ショックだったのですが、年間で523万トン、日本の全国民が毎日お茶碗1杯分の食品を捨てている状態なんです。
「なんとかせにゃいかんぞ!」と思いますよね。さらに調査を続けると、非常に多くの方がフードロス問題を認識しているものの、どう行動したらいいのかわからない状況であることが判明しました。であれば、「フードロス削減に貢献できる仕組みをつくることが私たちの使命なんじゃないか!」と考えたんです。幸い私たちには電力の契約をしてくださっている多くのお客さまがいますので、その方たちと食品メーカーをうまくつなぐことができれば、フードロス削減に貢献できる!そんな強い思いを背景に、TSUNAGU tableというサービスをスタートさせました。
私たちのフードロス削減への取り組みに共感いただくだけでなく、お客さまが行動に移しやすくなるしかけが大事かなと思っていますので、まずは「お得」そして「楽しく」というところは強く意識しています。
2023年8月の段階では、スマイLINK限定の3,000円ボックスから、4,980円のボックスまでラインナップしています。どれも販売価格の2倍相当の商品が入るように詰め合わせているんですよ。さらに福袋形式にすることで、どんな商品が入っているのかわからない福袋特有のドキドキと、知らなかった商品と出合えるワクワクといった楽しさをお届けしています。
お客さまのご自宅で2次フードロスをおこしてしまっては意味がないですから、満足していただくことがとても重要だと思っています。商品が魅力的であることはもちろんですが、お届けする商品の点数や箱をあけたときの見栄えなど、喜んでいただけるように細部までしっかりこだわっていますよ。
フードロス商品なので、はじめてのお客さまはあまり中身に期待されていないようなのですが、箱をあけたときに「わ!」と驚いていただきたいと思って取り組んでいます。
プレゼントを贈るような気持ちというか、「これならきっと喜んでもらえるんじゃないかな」と思えるまで、試行錯誤しながら商品を詰め合わせる時間は、このサービスをやっていて楽しいことのひとつですね。
届いた商品に対して、お客さまから「期待をはるかに超えてくれた」というコメントを多数いただいており、アンケート調査の回答でも満足度が90%を超えているんですよ。これは、めちゃくちゃうれしいですね。こだわりのひとつに、「新しい商品との出合いがあること」というのがあります。たとえば、中部地方のサービスエリアや道の駅でしか売られていないような、地元に住んでいる方でも知らないおいしい逸品を入れているんですよ。それもご好評いただいている理由だと思います。私も定期購入しているんですが、自分でラインナップを考えておきながら、あけてビックリ!「うわ、こんなに入ってるんだ!」「これおいしい!」って興奮しています(笑)。
今まで入っていたもので特に強く印象に残っている商品というと、たとえば長野のなかひら農場のスムージーです。この商品には、さまざまな理由で出荷規格から外れてしまった果物がたっぷり使われています。そもそも素材自体がいいものですし、めちゃくちゃおいしかったですね。
それから長野の仙醸のあまざけ。日本酒づくりにも使用される米麹と白麹で仕込み、すっきりとした味わいで、お料理に使ってもおいしかったです。それと、最近取り引きがはじまった大阪のMeVの「堂島カレー」もおいしいですよ。「甘くて辛いカレー」として有名なのですが、ほどよい辛さとフルーツの甘さをほんのり感じる、奥深い味わいのカレーです。どの商品をお届けするかは確約できないんですが、このカレーはもしかするとお届けするパックに入っている……かもしれません(笑)。
TSUNAGU tableは、「フードロス削減に貢献できる」ということはもちろんですけれども、スーパーや小売店ではあまり見かけない逸品を数多く取り扱っていることも、お客さまに喜んでいただけている理由かなと思っています。つい先日、スマイLINKでご購入いただいたお客さまから、直接会社にお電話があり、「大阪では手に入らないような商品がたくさん入っていておもしろかった。これからもぜひ買いたい」と、うれしいお声をいただいたことがありました。皆さまのご期待に応えるためにも、TSUNAGU tableはこれからもいろいろなメーカーと協力しながら、「お得」に「楽しく」フードロス削減に貢献いただけるような取り組みを発展させていきたいと考えております。ぜひ皆さんも私たちといっしょにフードロス削減に貢献しましょう。