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ボルタが世界ではじめて電池を発明したのは1800年。きっかけは、イタリアの解剖学者ルイージ・ガルバーニが行った電気実験に疑問を持ったことでした。その実験とは、2種類の金属をカエルの背骨の神経と脚に触れさせると、その筋肉がけいれんするというもの。ガルバーニはこのことから「動物の体から電気が生まれている」という説を発表していました。
しかし、ボルタはこの説について、別の仮説を立てました。それは、電気が発生したのはカエルの体からではなく、2種類の金属が触れたことが原因ではないかというものです。
そこで、自分の仮説を証明するために何枚もの金属の円盤を積み重ね、塩水で湿らせた布の層を間に挟んだハンバーガー状の装置を開発、見事に電気を発生させることに成功しました。ボルタはこれを「人工発電装置」と名づけましたが、一般的には円盤を積み上げたような形から「電堆(でんたい)」と呼ばれるようになりました。
この装置は、海底にすむ「シビレエイ」の体の仕組みをヒントにして発明されました。獲物や敵を感電・麻痺させる力を持つシビレエイの発電器官は、結合組織で仕切られたいくつもの小さな板が積み重なっており、ボルタはこの構造を真似たと言われています。
その後、ボルタは電堆に使用する塩水を希硫酸に変えることで、さらに多くの電気を発生させる電池を発明しました。ボルタのつくった電池は、当時としては驚異的なほど大量の電流を持続的に取り出せるものでした。
この発明によって電気の研究は飛躍的に進み、電動機・電灯・電信機・ラジオ・乾電池などの発明へとつながっていきます。この功績からボルタは電気学の始祖と呼ばれ、電圧の単位も「ボルト」と呼ばれるようになったのでした。
参考:ルカ・ノヴェッリ(2009)『ボルタ―未来をつくった電池の発明』(天才!?科学者シリーズ6)岩崎書店