ポーランド共和国
バルト海に面した東ヨーロッパの自然豊かな国。「ピアノの詩人」と呼ばれた作曲家ショパンの母国としても広く知られています。ポーランド南部にある旧都・クラクフは、16世紀ごろのポーランド王国黄金期の栄華を感じる街並みから観光客に人気のエリアとなっています。
- 今回の旅のパートナー
ポーランド・ワルシャワ出身。2009年、京都大学で日本史の研究をするために来日。研究をつづけながら、講師として大学に勤務しています。今回はそんなマルチンさんとともに、ポーランドの朝食をスマチネゴ(召し上がれ)♪
ポーランドの皆さんは、朝にどんなものを食べるんですか?
朝の食卓によく並ぶのは「カナプキ」です。カナプキとはポーランド語でサンドウィッチという意味で、具材をパンの間にはさむのではなく、上にのせるオープンサンドスタイルなんですよ。一番ポピュラーな具材は、カッテージチーズにスライスしたラディッシュや細切りにしたネギを和えた「トファロジェク」。酸味のあるカッテージチーズを使うので、さっぱりとしていてとってもおいしいんですよ。パンは、小麦粉とライ麦粉を使ったかたくて重みのある「ミッシュブロート」をよく使います。日本でミッシュブロートのようなパンを見つけるのは難しいので、なかなか食べられずいつも恋しく思っています。
ポーランドの朝ごはんは、オープンサンドが一般的なんですね。
ポーランドでは基本的に朝が早く、6時ごろに最初の朝食をとります。平日は忙しいので、カナプキのような手軽なものが朝食の定番なんですよ。チーズやハムをさっとのせて食べることも多いですね。実はポーランドでは、一日に4回食事をとるスタイルが伝統的です。朝が早い分、10時ごろにもう一度軽い食事をとり、一日のメインとなる昼食は14時を過ぎるころ。働いている方も学生も、家に帰ってから昼食を楽しみます。その後、夕食は19~20時ごろに軽くすませますね。ポーランドは緯度が高く夏は日照時間が長いので、朝早くから活動するんです。そのためこのような食事スタイルが定着したのだと思います。
ポーランドでは、一日4食なんですね。ほかにもおすすめの料理を教えてください!
日本と同じようにポーランドにも発酵食品がたくさんあるんですよ。例えば、「ジュレック」という発酵したライ麦を溶いたスープ。これは、発酵食品を使っているという点で、日本の味噌汁に似ていると思います。先ほど紹介したパン、ミッシュブロートも発酵させたライ麦を使っています。また、発酵した漬け物もポーランドの郷土料理のひとつ。発酵したきゅうりやキャベツ(ザワークラウト)が人気です。ちなみに、私の家族は京都の漬け物が大好きで、帰国する際にはいつもお土産に買って帰るんですよ。日本とポーランド、場所は遠く離れていますが、共通点を感じる食べ物は多いです。この機会に、ポーランド料理に興味を持ってもらえたらうれしいですね。