依頼内容

日々の暮らしの中でちょっと気になることを、マイマイ姉妹&探偵が調査する『炎の探偵社』。普段は、マイ大阪ガス会員の皆さまからの調査依頼を受け、探偵たちが汗をかきかきギモンを解決していくのですが、今回は番外編をお届けします。

今回は『炎の探偵社』番外編!
今回は『炎の探偵社』番外編!

今年3月、マイ大阪ガスでは「好きなお肉(牛肉)の食べ方に関するアンケート」を行いました。アンケートにご参加いただいた方の人数はなんと21,033人!この記事をお読みの方の中にも、ご協力いただいた方がいらっしゃるのではないでしょうか?そこで、今回の『炎の探偵社』は、そのアンケートをもとに、探偵たちが気になるアレコレを「データ分析」してみた結果をご紹介します♪

たくさんのご回答、どうモ~ありがとうございました
たくさんのご回答、どうモ~ありがとうございました

アンケートでは、「お肉(牛肉)を食べるなら、どの食べ方がいちばん好き?」という問いに対して、「しゃぶしゃぶ / すきやき / ステーキ / 焼肉」の中からひとつだけ好きな食べ方を選んでいただきました。果たして、その結果は?!

好きなお肉の食べ方アンケート集計結果

第1位は・・・ 焼肉!第2位は僅差でステーキがGET!すきやき、しゃぶしゃぶは大きく差をつけられてしまいました。どれもおいしいのに、どうしてでしょうか?とりあえず、地域によって違いがあるかも…と考え、食べ方別で「市町村別支持率TOP10」を作ってみました。

市区町村別 食べ方支持率TOP10

なんとなく意味がありそうな結果が出ました!大阪府東部・南部では「焼肉」の人気が高く、北摂周辺では「ステーキ」が好まれ、「しゃぶしゃぶ」「すきやき」は、奈良・滋賀・けいはんな学研都市(京阪奈丘陵の大阪府・京都府・奈良県にまたがるエリア)で支持を集めているようです。 エリア別にこういった個性が出たのはなぜなのでしょうか?このギモンを出発点として、『炎の探偵社』ではさまざまな仮説を立て、興味深いあれこれを調査しました!

仮説その1

焼肉好きな都市には若者が多い?!

みんな大好き、パワーの源、焼肉!
みんな大好き、パワーの源、焼肉!

焼肉といえば、「スタミナをつけたいときには焼肉!」「子どもや若者に人気!」などのイメージがありますね。もしかすると、焼肉好きな地域には、若者が多いのかもしれません。そこで、焼肉が好きな割合と各市町村の若者(29歳以下)の割合を図にし、本当に焼肉好きな都市には若者が多いのかを調べてみました。

市区町村別  焼肉が好きな割合と29歳以下構成比の相関

結果は…まったく相関がありませんでした。つまり、焼肉好きな都市には若者が多いとは言えず…。残念!

仮説その2

焼肉好きの多い大阪府では、 焼肉店の店舗数が多い?!

めげずに、次の分析に進みましょう。今回のアンケートでは、どの府県でも焼肉は大人気でしたが、中でも大阪府の市町村が多数TOP10にランクインしていたのが気になります。そこで、焼肉好きの多い大阪府では、焼肉店の店舗数も多いのか、府県別で調べてみました。

焼肉が好きな割合と人口1万人あたりの焼肉店の店舗数

人口1万人あたりに対する焼肉店の店舗数は、仮説どおり大阪府が1位!どうやら関係がありそうです。大阪府は焼肉好きな方が多いだけでなく、焼肉店も多く、需要と供給のバランスがとれているんですね。



仮説その3

ステーキ好きが多い都市は、富裕層が多い?!


次に、ステーキで考えてみましょう。他の食べ方に比べて、ステーキはちょっとハイソなイメージがある気がしますが、ステーキ好きな方々は、やはり富裕層なんでしょうか?気になって調べてみました。


市区町村別 ステーキが好きな割合と納税額(千円)の相関

おおっ、これは!…グラフを見れば、よくわかりますね。ステーキ好きが多い都市には、平均納税額が高い都市が多いようです。なんとなく思っていたイメージが、その通りだと実証されたような気がします。うれしい!



データ分析のプロに聞いてみました

「焼肉×焼肉店の店舗数」「ステーキ×平均納税額」の関係性を見つけて気をよくした探偵たちは、データ分析のプロにアドバイスをもらおう!と考えました。そこで、大阪ガスの情報通信部「ビジネスアナリシスセンター」に突撃。同センターの河本薫所長に、これまでのデータと仮説・結果を見てもらいました。

著書の講談社現代新書「会社を変える分析の力」も好評発売中♪
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河本所長:データの山から、それまで知られていなかった関係性などの「お宝」を発見することをデータマイニングといいます。お宝が見つかるとうれしいですね。でも、今回の探偵さんたちの分析結果では、注意しておかないといけない点があります。それは、「相関があるからといって、因果があるわけではない」という点です。「焼肉の支持率」と「焼肉店の店舗数」、「ステーキの支持率」と「平均納税額」、どちらもたしかに相関がありそうです。でも、焼肉好きが多いから、あとから焼肉店が増えたのかもしれないですよね。原因と結果の関係が明確になっていないと、因果関係があるとはいえません。

たしかに…。焼肉店を開業するなら、需要の多いエリアに出店したいと思うのは当然ですね。鶏と卵の関係みたいでむずかしそう…。焼肉好きが焼肉店を増やしたのか、焼肉店の増加が焼肉好きを増やしたのか…う~ん…。あ、あと、分析を成功させるには、どんなことに気を付ければいいかを教えてください!

鶏が先か、卵が先か
鶏が先か、卵が先か

河本所長:分析は「当たり前」では面白くないんです。「特異性」、つまり「なんだか他と違うかも?」という点に着目すると、新しい気付きにつながります。そして、そこからまた仮説をたてて検証していくんです。重要なのは、まずはシンプルに考えること。そして、結果をもっとビジュアライズ(見える化)してみてはどうでしょう?ワクワクできるような発見があるかもしれませんよ。


なるほど!たしかに、いろいろなやり方で「見える化」すると、データの山の中を掘り進んでお宝に近づけるかもという気がしてきました。もうちょっと頑張ってみます!

ワクワク!どんな「お宝」が見つかるのかな?
ワクワク!どんな「お宝」が見つかるのかな?

「焼肉・ステーキ」好きと「しゃぶしゃぶ・すきやき」好きを地図でビジュアライズしてみた

まず、シンプルに考えるために、4つの選択肢を2つに分けてみました。こってりしたイメージの「焼肉」+「ステーキ」と、あっさり食べるイメージの「しゃぶしゃぶ」+「すきやき」。それぞれ、「こってり軍」と「あっさり軍」とします。

こってり vs あっさり、天下分け目の戦いです!
こってり vs あっさり、天下分け目の戦いです!

さらに、「こってり軍」と「あっさり軍」の支持率の違いを地図に反映し、それぞれの傾向がわかる図を作ってみました。

焼肉&ステーキ軍と、しゃぶしゃぶ&すきやき軍の戦い

こってり軍(平均よりも「焼肉+ステーキ」が好きな市町村)は都市部に強く、あっさり軍(平均よりも「しゃぶしゃぶ+すきやき」が好きな市町村)は郊外・農村に強いようです。また、都市部でも、大阪・神戸はこってり軍、あっさり軍は京都でその勢力を伸ばしています。ここから、たとえば「車で移動することが多い郊外・農村では、ついビールを飲みたくなる焼肉の人気が低い」「欧米文化を早くから取り入れた神戸の周りでは、こってりした食文化が受け入れられやすい」など、さまざまな仮説を立てることができそうです。


ちなみに、関西は他地方に比べて牛肉の消費量が多いそうです(※)。アンケートの自由記述欄では、この4択以外の好きな食べ方として「ローストビーフ」「牛丼」「肉じゃが」などの回答が目立ちました。どれもおいしくて元気になりそうなメニューばかりです!関西人のパワーとガッツの源は、もしかしてお肉なのかもしれませんね。

今回の記事は、ボリュームの都合上このあたりで終わりにしたいと思いますが、このようにちょっとしたアンケート結果でも、仮説を立てて検証し、その結果をさらに深掘りすると、どんどんと面白い事実が見えてきそうです。これまでの『炎の探偵社』での調査方法は聞き込みが主体でしたが、今後はこういった手法も取り入れていきたいと思います♪アンケートにご協力いただいた皆さん、どうモ~ありがとうございました!

※関西平均:9.7kg、全国平均:6.6kg(2013年~2015年 総務省家計調査「牛肉消費量ランキング」より)

調査完了