Vol.13
2023.02.20
花粉が飛びはじめる2月。外出するときに花粉対策をしていても、家に帰ると症状が出てしまうというケースは少なくありません。花粉は気づかないうちに室内にも持ち込まれています。今回は、家にいても花粉症がつらいという方のための、室内の対策をご紹介します。花粉の季節も安心して過ごせる住まいにしましょう。
もくじ
花粉の飛散量がピークになると、ちょっと外を歩くだけでも、花粉が全身に付着してしまいます。そんな花粉を家のなかに持ち込まないためには、玄関の扉を開ける前にできる限り取り除くことが大切です。まずは玄関前で付着した花粉を落とす習慣をつけましょう。
・上着についた花粉を払う
家についたら、玄関の扉を開ける前に付着した花粉を手で払い落とします。このとき花粉の再付着を避けるため、頭から肩、上半身、下半身と、上から順に払い落とすことが大切です。帽子やスカーフ、カバンなど、外出時に身につけていた小物も忘れずに払いましょう。
・静電気が発生しやすい場所は念入りに
花粉が衣類につく原因のひとつは、静電気です。たとえばカバンがこすれる腰の部分、衣類同士がこすれる上着やズボンの裾、ふくらはぎ部分などは念入りに花粉を払いましょう。
ひととおり花粉を払い落としたら玄関の中へ。手で払うだけでは落としきれなかった花粉を室内に入れないよう、中に入ってからの対策も心がけましょう。
・ウェットティッシュや粘着クリーナーを使用
残った花粉は、飛散させないよう注意しながら丁寧にウェットティッシュで拭き取るか、粘着クリーナーをかけて取り除きます。さっと捨てられるようゴミ箱を用意しておくのもおすすめです。
・上着を室内に持ち込まない
室内に花粉を持ち込まないよう徹底するなら、玄関で上着は脱いでしまい、室内に持ち込まないようにするのが理想です。玄関に上着が収納できるスペースをつくっておくとさらに便利で快適です。
家に入る前にしっかり対策をすることで、室内に持ち込む花粉を劇的に減らすことができます。帰宅時のルーティンにできるといいですね。
花粉が入らないようにと換気を控えたくなるところですが、気持ちよく過ごすためには、空気の入れ替えは欠かせません。上手に換気をするポイントは、飛散量の少ない時間帯におこなうことです。
たとえばスギやヒノキは、1日のうち、開花した花粉が運ばれてくるお昼前から14時ごろと、空気の対流で花粉が舞い上がる17時から19時ごろが飛散のピークといわれています。換気をするときは、早朝や夜など、花粉が少ない時間を選びましょう。ただし、風の強い日は花粉が入ってきやすくなるので、無理に窓を開けないようにすることも大切です。
侵入する花粉は注意や工夫によって低減できますが、残念ながらゼロにはなりません。室内に入ってきた花粉を、いかに空気中に滞留させることなく除去するかも、花粉症対策のポイントです。
・掃除は朝一番が理想
室内に入った花粉は、人の動きが起こす空気の流れによって浮遊したあと付着する性質があります。効率的に花粉を除去するには、まだ家族が起きていない朝一番に、床に落ちて付着した花粉を拭き取ることがおすすめです。
・まずは拭き掃除から
いきなり掃除機をかけると床に付着した花粉を舞い上がらせることになります。まずは固くしぼった雑巾やウェットタイプもしくは粘着タイプのシートなどを使用して拭き掃除からはじめ、仕上げに掃除機をかけるようにしましょう。
・窓まわりはしっかり掃除
花粉が侵入してくる窓まわりは要チェック。サッシや窓下の床は、こまめに掃除をしておきましょう。
・家電製品も見逃さずに
静電気は、ほこりだけでなく花粉も引き寄せます。家電の裏やコードも忘れず拭いておきましょう。
花粉の侵入を抑え、入ってきた花粉はしっかり除去すること。室内のお掃除による対策も、ぜひ習慣にしてください。
花粉対策におすすめなのが、花粉をキャッチして空気をきれいにしてくれる、空気清浄機です。
設置場所は花粉の侵入口になる玄関や換気する窓の近く、部屋の入口などが効果的。できるだけ周囲にスペースをとり、吸気口や吹出口をふさがないよう注意しましょう。
最近では、花粉に加えてウイルスも除去できる、除菌脱臭機能を搭載したタイプをはじめ、さまざまな機能やデザインのものが各メーカーから発売されています。用途や置き場所にあわせて検討し、「わが家」にあうものを選びましょう。
最新の壁紙や床材には、表面に付着したアレルギー物質の働きを抑制する機能などをうたったものもあります。
たとえば内装壁機能建材「エコカラット」は、空気中に漂う花粉や有害物質を吸着し低減する機能に加え、調湿や脱臭の機能も備えたすぐれもの。
DIYで簡単に取りつけられるタイプの商品もあります。さまざまなデザインから選べるので、お部屋にアクセントとして加えるのもいいかもしれませんね。
花粉がつかないように、洗濯物は部屋干しが安心です。浴室乾燥機や部屋干しファンがあると、室内でもスピーディーに乾かすことができますよ。太陽光にこだわる方は、リフォームでサンルームを設けるのも選択肢のひとつです。
衣類乾燥機で外干しいらず
外干し感覚で洗濯物を干せるサンルーム
花粉が侵入してくる窓辺対策も重要です。網戸を目のこまかいものに張り替えるだけでも、花粉の侵入防止に役立ちます。
また、アルミサッシを内窓+複層ガラス(ペアガラス)に交換するプチリフォームもおすすめです。二重構造で花粉の侵入を防ぐだけでなく、冷暖房の効果を上げたり、結露によるカビの発生を抑制したりするなどのメリットがあります。室内環境をより快適にし、光熱費の節約にもつながる、おすすめのリフォームです。国の補助金制度などもありますので、賢く活用してみてはいかがでしょうか。
春先のスギやヒノキ以外にも、アレルギーのもとになる花粉は多く、発症する人は年々増加しています。今は大丈夫という方もリスクに備えて、室内の花粉対策をしながら、過ごしやすい住まい環境を整えられるといいですね。
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