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Vol.05

災害に強い家、弱い家。
家庭でできる自然災害への備え

災害に強い家、弱い家。家庭でできる自然災害への備え

地震や台風、豪雨など自然災害が多い日本。災害が起きたときに被害を最小限に抑えられるよう、しっかりと備えておきたいものですね。特に地震は、いつ起こるか予測をするのが難しいため、日ごろからの準備が重要です。
いざというときに備えて、「防災」という視点で住まいを見なおしてみませんか。チェックすべきポイントと、おうちの中でも危険度が高いキッチンの対策をご紹介します。

防災の視点で住まいをチェック!

セルフチェックで今すぐできる対策を

セルフチェックで今すぐできる対策を

生活用品・食料品等の備蓄、避難経路の確認と安全な避難場所の把握等、日ごろからできる準備はたくさんあります。地震や台風などの自然災害が起きても慌てなくてすむように、対策ができているかチェックしておきましょう。

■防災用品は、いつでも持ち出せますか?
備蓄品や非常用バッグを用意し、その置き場所を家族全員にも伝えておきます。いざというときに持ち出しやすい場所にあるか、背負って走れるかということも確認しておきましょう。

■避難経路の確認はできていますか?
いざというときにすみやかに避難できるように、避難動線を考えて家具を配置したり、戸外への出口を複数確保したりしておきます。また避難しやすいように、子どもや高齢者の部屋を出口の近くにするといった配慮も大切です。

■地震発生の場合、家具の転倒や食器の落下を防ぐ対策ができていますか?
おうちの中でケガをしないように、家具の転倒を防止する突っぱり棒や、滑りどめシートといった耐震グッズなどで、しっかり対策をしておきましょう。

危険が潜むキッチンに注意

危険が潜むキッチンに注意

地震が発生したとき、住まいの中で危険度が高い場所といえば、コンロや調理器具、食器、刃物、電化製品が集中しているキッチン。大きな揺れで落ちてしまった食器や電子レンジの破片が飛散したり、食器棚などが転倒したり、あらゆるものが“凶器”となって襲ってきます。割れ物や棚などが散乱することによって動線が塞がれ、逃げ遅れてしまう危険性も。冷蔵庫や電子レンジ、食器棚は今の置き場所のままでいいか、転倒を防ぐための耐震対策はできているかなど、いざというときに家族の命を守れるよう、防災目線でキッチンを見なおしてみましょう。

地震から家族を守るキッチンの防災対策

家電や家具はしっかり固定

家電や家具はしっかり固定

キッチンの防災対策の基本は「固定すること」です。棚等を壁に固定する転倒防止金具や、突っぱり棒、耐震マット(ジェル)などを活用して、家具が倒れないように固定しておきましょう。また、転倒のリスクを減らすなら、住まいと一体化した造り付け家具へのリフォームもおすすめです。
電子レンジや炊飯器は滑って落下しないよう耐震マット(ジェル)を貼ったり、落下してもケガをする可能性が少なくなるよう、低い位置に置いたりするなどの工夫をしましょう。

  • 突っぱり棒で家具の転倒を防ぐ

    突っぱり棒で家具の転倒を防ぐ

    家具の天面と天井の間に取りつけて固定し、転倒を防ぎます。家具の両端に1本ずつ、壁側に寄せて設置しておくと、強度が増します。

  • 耐震マット(ジェル)

    耐震マット(ジェル)

    家具や家電の下に貼りつけて床と密着させることで、マットが揺れを吸収し、転倒を防ぎます。商品により耐荷重やサイズが異なるので、ご家庭の家具や家電にあったものを選びましょう。必要な長さや形にカットできるタイプもあります。

食器や調理器具、調味料の飛び出しを防ぐ

食器や調理器具、調味料の飛び出しを防ぐ

大きな揺れが起きた場合、食器棚から食器や調理器具、調味料などが飛び出し散乱する可能性があります。飛び出しを防ぐために、次のような対策がおすすめです。

・開き戸には扉ストッパー
突然の揺れで扉が開いて、食器が飛び出すのを防ぎます。

・棚板には滑りどめシート
食器や調味料の瓶が、滑るのを防ぎます。

・ガラス扉のある食器棚には飛散防止フィルム
食器などが扉にぶつかっても、ガラスが割れて破片が飛び散らないようにします。

・食器棚の中を整理整頓
食器をたくさん詰め込み重ねて収納していると、倒れやすくなってしまいます。全体数を減らすことも心がけておきましょう。

  • 扉ストッパーで飛び出し防止

    扉ストッパーで飛び出し防止

    扉ストッパーは、食器棚の開き戸の左右にわたして両面テープやネジで取りつけます。仮に揺れて家具が動いても扉は開きません。S字フックで代用することもでき、カーブの部分を開き戸の左右の取っ手に引っかければ、手軽につけられます。S字フックは外れにくいよう、取っ手のサイズにあわせて選ぶことがポイントです。

  • 食器の落下を防ぐ滑りどめシート

    食器の落下を防ぐ滑りどめシート

    地震が起こったとき、食器が飛び出して“凶器”にならないよう、滑りどめの工夫をしておきましょう。カラーを選べばインテリアのアクセントにもなります。

リフォームでもっと災害に強い家へ

リフォームでもっと災害に強い家へ

これからの安心のために、災害に強い家にリフォームするのも選択肢のひとつです。揺れを感知して作動するストッパーがついたカップボードや、震度約4以上の揺れを感知すると自動消火する「感震停止機能」つきのガスコンロなど、防災対策を考えたキッチン製品が数多く用意されています。今のキッチンを見なおして、ご家庭にあった対策を検討してみてください。

いつかそのうちに、と思っている間に、思わぬ災害に見舞われる危険性もあります。今すぐできることからはじめて、ご家族みんなの安心を守っていきましょう。

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