暮らしのデジタルプラットフォーム「スマイLINK」からこだわりの商品をご紹介
Vol. 12
1887年の創業当時よりフルーツの専門店として小売業を営んできた『千総(せんそう)』。アトリエコンフィチュールは、その老舗果実店が立ち上げた無添加ジャムブランドです。今回ご紹介するのは、関西近郊でとれた厳選フルーツをぜいたくに使ったこだわりジャムのセット。ブランドを立ち上げた千総4代目・西辻宏道さんにおいしさの秘密をうかがってきました。
代表取締役西辻 宏道(にしつじ・ひろみち)
大阪生まれ。老舗果実店『千総』4代目。無添加ジャムブランド「アトリエコンフィチュール」を立ち上げ、産地や品種、製造工程まで徹底してこだわった“フルーツ本来のおいしさ”を味わえるジャムづくりを続けている。
アトリエコンフィチュール
老舗果実店『千総』が2004年に立ち上げた無添加ジャムブランド。「シンプル且つ上質」をコンセプトに、果実店ならではの素材をいかした味わいが人気。
せっかく大阪ガスのサイトで販売してもらうので、「地産地消」をテーマに、関西近郊でとれたおいしいフルーツでつくったジャムばかりを集めて5本セットにしました。使っているフルーツは、紀ノ里の「さちのかいちご」、紀州あら川の「白桃」、紀州の「南高うめ」、有田の「木成完熟みかん」、そして大阪・和泉市にある自社農園で丁寧に育てた「ブルーベリー」と、どれも自信を持っておすすめできる産地・品種のものを厳選しています。
私たちがジャムづくりで一番こだわっているのは、フルーツ・品種が本来持つそのままの風味を邪魔しないこと。そのために、添加物もいっさい使っていませんし、甜菜糖やレモン果汁だけで低糖度に仕上げています。生のフルーツのおいしさをいつでも味わえる果実店ならではのジャムですね。お客さまからは「すごくフレッシュ!」「めっちゃ桃!」というような声をよくいただきます。
アトリエコンフィチュールのルーツは1887年創業の果実店「千総」。私はその4代目として、多くの方にフルーツのおいしさを伝えられるジャムづくりに強くこだわっています。商品名に産地と品種を記載するのもこだわりのひとつで、すべての品種に異なる風味があることを、ジャムを通じてお伝えしたいんですね。
たとえば、今回のセットに入れたいちごジャムには紀ノ里の「さちのかいちご」を使用しています。これは甘みと酸味のバランスがよく、昔から広く親しまれているいちごです。小粒の状態で完熟するので、ジャムに加工してもしっかり果肉感が残るという特徴があります。今、数々のブランドいちごが市場をにぎわせていますが、大粒の「あまおう」ではこの食感は出せません。「さちのかいちご」はほかの品種と比べても非常にジャム向きの品種といえますね。このようにさまざまな品種の特徴を知り、その長所を引き出すジャムづくりができることも果実店ならではの強みのひとつですね。
パンなどに塗って食されるジャムは、ある程度の粘性が必要になるので、一般に流通するほとんどのジャムにはゲル化剤などの増粘剤が添加されています。でも添加物を加えると、当然ながらフルーツ本来の風味からは遠ざかってしまうんですね。果実店としてはそこにどうしても抵抗があるので、私たちは製造工程で増粘剤をいっさい使わず、フルーツ自体が持つペクチン質だけで粘性を出しています。
フルーツだけで粘性を出すには、多くの果肉を煮詰めて濃縮させる必要があるので、1瓶あたりに使用するフルーツの個数が増えるんです。今回のセットでいうと、1瓶150gに対してみかんは約2個、白桃は約0.9個、南高梅は約2.4個、いちごは小粒ですが約22粒、ブルーベリーに関しては約180粒入っている計算になります。これだけフルーツをぜいたくに使い、さらに低糖度に仕上げることで、やっと生のフルーツが持つ風味を感じられるジャムになるんです。
おっしゃるとおり、たくさんのアレンジを楽しんでいただけます。たとえば、お料理の仕上げにもおすすめで、今回のセットに入っている「有田の木成完熟みかんマーマレード」は鶏肉にソースとしてかけると相性抜群。「千総スローファームのブルーベリー」だったら、牛肉料理がおすすめです。さらに、「紀州あら川の白桃」は生ハムにかけると、生ハムメロンと同じように塩気と甘みの相性がよく、おいしくいただけます。
「紀州の南高うめ」は炭酸水で割ったり、紅茶に溶いたりするのもおすすめですね。増粘剤を使っていないので、ドリンクに入れるとふわっとほどけやすいんですよ。あと「紀ノ里のさちのかいちご」はアイスクリームにかけてもいいですし、お料理やデザートにも使える万能のジャムですね。スタッフがインスタグラムの公式アカウントでおいしい食べ方提案をしていますので、よろしければそちらも参考にしてみてください。
私たちのジャムは、産地や品種にこだわった厳選フルーツを使って、極力シンプルにつくっていることが特徴です。素材そのものの味をお楽しみください。特に今回のセットは関西近郊でとれたフルーツばかりを集めましたので、「地元でこんなおいしいフルーツがとれるんだ」と感じていただければと思います。また、堺市美原区にオープンしたショップでは、期間限定の特別な商品、同じフルーツを産地・品種別に食べ比べできる商品など、豊富なラインアップをご用意しています。今回のセットを召し上がって気に入っていただけた方は、ぜひショップのほうにも足を運んでいただければうれしいですね。