- 今回の旅のパートナー
- 関西学院大学大学院 留学生
アン・シャロン・パコアさん - 高校生のときにはじめて日本を訪れ「街中にあふれる最先端技術に驚いた」というアンさん。「母国にも便利なテクノロジーや高度なビジネスを根づかせたい」という思いから、日本の大学院でグローバルマネジメントを学んでいます。そんなアンさんと一緒に、バヌアツの朝食をボナペティ(召し上がれ)♪
バヌアツの皆さんは、どんな朝ごはんを食べるのですか?
バゲットにアボカドをはさんだアボカドサンドをよく食べます。
アボカドサンドは、朝一番にベーカリーで買ってきた焼きたてのバゲットに、スライスしたアボカドをはさんだサンドイッチです。パリッと香ばしいバゲットに、アボカドのクリーミーな歯ごたえがマッチして、最高においしいんですよ。
バヌアツのアボカドは、日本のアボカドの倍くらいの大きさで、バターのようになめらかな舌ざわりです。大きなバゲットに1個分のアボカドをたっぷりはさんで食べると、朝からおなかいっぱいになって、今日も一日がんばろう!と気合いが入りましたね。
アボカドサンドと一緒に、クッキングバナナのフライを食べることもあります。クッキングバナナは、見ためは日本のバナナと似ているのですが、実はまったく別の果物で、サツマイモのような味がするんです。固くて生では食べられないので、わが家ではフライにしたりゆでたりして食べていました。私はクッキングバナナのフライに、こまかくカットしたココナッツの実をかけて食べるのが大好きで、いつも朝から食べ過ぎていましたね。日本にいてもたまに食べたくなるので、日本にもクッキングバナナがあればいいなと思います。
クッキングバナナという果物ははじめて聞きました。バヌアツは果物が豊富なのですか?
はい、バヌアツには日本にない果物がたくさんあります!
たとえば「ブレッドフルーツ」はご存じですか?スイカほどの大きな果物で、ふかしたジャガイモに似た味がするんです。クッキングバナナと同じく生のままでは固くて食べられないので、皮をむいてくし切りにし、大きなお鍋で蒸します。蒸し上がったブレッドフルーツは、まるで焼きたてのパンのような香りがするんですよ。軽い食感で、おやつや夜食にもおすすめです。
果物を蒸した料理は、日本ではあまり見かけないですね。ほかの蒸し料理もぜひ教えてください!
代表的な蒸し料理は「ラップラップ」ですね。魚やイモ、果物などの具材をクッキングバナナの葉で包んで蒸し焼きにする、バヌアツの伝統料理なんですよ。ラップラップはたくさんの量を一度につくれるので、大人数が集まるときにぴったりの料理です。
ラップラップのつくり方は、まず葉を広げて、その上に長イモに似たヤムイモやキャッサバ、チキンや魚などの具材を乗せます。クッキングバナナの葉はバスタオルぐらいの大きさなので、20人分ほどの具材を一度に乗せることができるんですよ。具材を乗せたら塩とココナッツミルクをたっぷり振りかけて包み、葉の上に直火で焼いた石を乗せて、じっくり3時間かけて蒸し焼きにします。いい香りがしてきたらできあがりの合図。大きな包丁で人数分に切り分けていきます。お皿に盛りつけたラップラップは、具材に葉の爽やかないい香りが移って、とても食欲がそそられるんですよ!
わが家では「土曜日のランチはラップラップ」と決まっていました。教会に行った帰りに親戚や友人家族が集まって、大勢でラップラップをつくって食べるんです。多いときは50人くらい集まっていましたね。ワイワイとおしゃべりしながら食べるので、まるでお祭りのようににぎやかになるんです。大勢で食べた楽しかった思い出がよみがえります。