- 今回の旅のパートナー
- 南米チリ家庭料理「グラン ミカエラ イ ダゴ」店主 クリスティアン メリリャン 一色さん
- チリ人の父親が神戸で開いた店を引き継ぎ、自慢の腕を振るうクリスティアンさん。現在も、3年に1度はチリ南部にある父親の実家に帰省し、現地の家庭料理を学んでいるそうです。レストランシェフとしての業務以外にも通訳の仕事をしているのだとか。今回はそんなクリスティアンさんとともに、チリの朝食をアデランテ(召し上がれ)♪
南米チリ家庭料理「グラン ミカエラ イ ダゴ」のホームページはこちら
チリの皆さんは、朝にどんなものを食べるんですか?
チリの朝ごはんといえば、「パン・アマサード」と呼ばれるパンとチーズ、ハム、ペースト状にしたアボカドが定番なんですよ。家庭によってはスクランブルエッグなど卵料理が加わることもありますね。パン・アマサードは薄く丸い形をした手のひらサイズのパンで、膨らまないようにフォークで穴を開けて焼くのが特徴です。ナイフで薄く2枚に切り分けて、好きな具材をはさんで食べます。アボカドをたっぷりと塗って、チーズとハムをはさんで食べるのがおすすめですね。生地がサクサクとしていておいしいんですよ。パン・アマサードは手作りしている家庭が多いですが、スーパーでも購入できます。チリのスーパーは何でもキロ単位で販売しているので、パン・アマサードはもちろんフルーツや肉類もキロ単位で購入するんです。「何個ください」なんていうと、笑われてしまいますね(笑)。
パン・アマサードは昔から食べられていたんですか?
パン・アマサードは、チリがスペインの植民地になった16世紀ごろから食べられていました。チリ料理には、ヨーロッパ文化の影響を受けたものも多くあり、例えばパン・アマサードやチリ料理として有名な「エンパナーダ」もその一つです。エンパナーダとは、小麦粉から作られる生地に肉や野菜などの具を入れて焼いた料理のこと。スペインをはじめとした多くの国で食べられていますが、各国で形や中に入れる具材が異なります。チリのエンパナーダは牛挽き肉やレーズンが入っているのが特徴です。元々、独立記念日などお祝いの日に食べるメニューだったのですが、最近は日常的にも食べられていますね。
パン・アマサードのおすすめの食べ方を教えてください!
パン・アマサードに甘酸っぱいローズヒップのジャムを塗って食べるのもおすすめです。ローズヒップとは、バラ科の植物になる実のことでチリの名産品なんですよ。ビタミンCが豊富で、美肌効果があるので特に女性に食べてほしいですね。チリにはローズヒップで作った化粧品もありますし、スキンケアに使うオイルも人気が高いです。
朝食は簡単にすませますが、チリでは食事を1日4食とるのが一般的です。昼食と夕食はしっかり食べ、夜食はサンドウィッチなど軽いものを食べる人が多いですね。また、チリの家庭では食事の時にコース形式で出すことが多く、前菜からはじまってスープ、メインとまるでレストランのように一人ひと皿ずつ順番に出されます。大皿で出された料理をみんなで分けることはあまりありません。用意する人は大変ですが、チリ人にとっては普通なんですよ。チリに行くことがあれば朝ごはんだけではなく、コース形式で楽しめる食事もぜひ体験してくださいね!