- 今回の旅のパートナー
- 神戸龍谷高等学校 英語教員 キム・マーコルズさん
- ブリティッシュ・コロンビア州出身。合気道を学ぶために来日した際、知り合いから誘われ英語教員として日本で働くことに……なってから気付けば30年!日本が大好きと話すキムさんとともに「カナダの朝食」をゴーアヘッド(召し上がれ)♪
カナダといえばメープルシロップが思い浮かびます。朝ごはんにはどんなものを食べるんですか?
カナダでは、一般的に忙しい平日の朝は、シリアルなどで手軽に済ませる人が多いかもしれません。その代わりに時間に余裕のある週末は、フレンチトーストやワッフル、パンケーキにメープルシロップをかけて、ゆっくりと朝食の時間を過ごします。フレンチトーストは、硬くなったパンを美味しく食べられるメニューとして親しまれているんですよ。作り方はとっても簡単で、牛乳や卵を混ぜ合わせた液をパンに染み込ませて焼き上げるだけ。ふわふわのフレンチトーストとメープルシロップの組み合わせは相性バツグンで、たっぷりかけて食べると最高においしいんです。付け合わせには、カリカリに焼いたベーコンやソーセージ、フルーツやヨーグルトなどが一般的。メープルシロップにはいろんな種類があるので、食べ比べてみるのも楽しいですね。
メープルシロップにいろいろな種類があるなんて知りませんでした!どのようにして作られるんですか?
メープルシロップとは、カエデの木の樹液を煮詰めたもの。カエデの木は、寒い冬を乗り越えるため、夏の間にデンプンを蓄えて糖分(樹液)に変えます。その樹液を採取するため、冬になると木に穴を開けて蛇口を差し込み、バケツをセットしておくんです。実は、採取する時期によってメープルシロップの種類が変わるんですよ。春先のまだ寒いうちに採れたものは色が薄く、暖かくなるにつれて色と風味がだんだんと濃くなります。薄いほうから「ゴールデン」「アンバー」「ダーク」などと種類が分類されているので、選ぶ際にはぜひ参考にしてみてください。現在、世界で販売されているメープルシロップの大半がカナダ産。生産量は毎年約5万tにものぼりますが、採取業者はむやみに樹液を取っているわけではありません。各樹木から採取する樹液の上限を公的に決めるなど、カエデの木をとても大切にしているんですよ。
メープルシロップは、カナダの人たちにとってすごく親しみのある食べ物なんですね。フレンチトーストやワッフル、パンケーキ以外にも使うことはありますか?
はい、砂糖の代わりとして、いろいろな場面で使っています。朝ごはんでは、ヨーグルトにかけて食べたり、好みのフルーツと合わせて作ったスムージーを飲んだりしています。他にも、カナダ名産のサーモンにメープルシロップ入りのソースをかけて焼き上げる「サーモンのグリル焼き」は絶品です。さまざまな料理にメープルシロップを活用するのは、カナダ独自の食文化だと思いますね。多民族国家のカナダではいろんな国の料理が食べられる一方、自国の伝統料理があまりないので「カナダ料理ってどんなものですか?」と聞かれるといつも困るんですけどね(笑)。メープルシロップは日本でも簡単に手に入るので、いろいろなお料理に使って、ぜひカナダ気分を味わってみてください!