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大阪発祥「きつねうどん」は
京都に行くと、化けて出てくる!?

2018/04/02
依頼内容

京都のきつねうどんは、他の地域のものと違うと聞きました。どう違うのでしょうか?

「きつねうどん」と言えば、誰もが一度は食べたことがあるうどんの定番メニュー。探偵が持っている辞書によると、一般的には甘い油揚げがのったうどんを「きつね」と呼びます。ところが、京都は違うようです。


調べてみると、きつねうどんは大阪が発祥と判明。まずはきつねうどん発祥のお店から、調査を開始しました!やってきたのは、心斎橋筋から1本東の丼池筋に店をかまえる「うさみ亭マツバヤ」。1893年(明治26年)に誕生した、創業120年を超えるうどん屋です。

きつねうどん発祥のお店に到着!
きつねうどん発祥のお店に到着!

「マツバヤ」は、現店主で3代目にあたる宇佐美さんのおじいさんが創業。「初代は、現店舗から歩いて十分ちょっとの場所にあった『たこ竹』と言う鮨屋で修業をしていました。初代が独立する際に、同じ鮨屋にしてしまうと商圏がかぶるため、うどん屋を始めることにしたみたいです」と教えてくれました。

マツバヤ店主の宇佐美さんとマイマイ姉妹
マツバヤ店主の宇佐美さんとマイマイ姉妹

開業当初の明治の半ばごろは、「うどんに合わせるおかず」という感覚で、別皿に油揚げとかまぼこをのせて出していたそう。油揚げはいなりずしの味つけと同じで甘め。そのうちお客さんが油揚げをうどんに直接のせて食べるようになり、初代もそれを見て最初からうどんの丼に入れるようになりました。

ランチを過ぎてもにぎわいをみせ、毎日大忙し
ランチを過ぎてもにぎわいをみせ、毎日大忙し

いざ食べてみると、油揚げは甘みのある出汁がジュワ~ッと口いっぱいに広がり、上品なつゆと麺もよく合います。あっという間に食べ終わると、「きつねうどんは早く食べられるうえに、油揚げには栄養もボリュームもある。忙しい大阪商人向きの食べ物やったんやろうな」と宇佐美さんは言います。

肉厚な油揚げはボリューム満点!
肉厚な油揚げはボリューム満点!

「油揚げはきつねの大好物。お稲荷さんは商売の神様。大阪・船場という商人が集まる町で、このうどんは商売繁盛のイメージに結びつけやすかったんでしょう」と宇佐美さん。最初は「こんこんさん」という名で大ヒットしました。その後、いつの間にか「きつねうどん」と呼ばれるようになり、その名とともにうどんの上に油揚げをのせるスタイルが、全国に広がっていったとみられます。

元祖きつねうどんをつくってくれた宇佐美さんご夫妻をパシャリ!
元祖きつねうどんをつくってくれた宇佐美さんご夫妻をパシャリ!

大阪のきつねうどんを食べて大満足の探偵たち。……ですが、ここで終わるわけにはいきません!京都のきつねがどんなものかを確かめるべく、続いて向かったのは、1940年から店をかまえる「京うどん生蕎麦 おかきた」です。

平安神宮のすぐ近く!
平安神宮のすぐ近く!

おかきたは、京うどんの命とされる出汁にこだわり続ける名店。大行列ができる有名店として知られています。「京都ではきつねと言うても、短冊切りにしてのせているんです」と語るのは3代目店主・北村さんです。

おかきた店主の北村さんとマイマイ姉妹
おかきた店主の北村さんとマイマイ姉妹

油揚げを刻んであるのはなぜでしょうか?「いつぐらいからこうなったのかはわかりまへんけど、舞妓さんやお坊さんが食べるときに、大きく口を開けて食べるわけにはいきまへん。だから、おちょぼ口でも食べやすいように小さく切って、油揚げとうどんと一緒に味わえるように工夫したようです」とのこと。


ちなみに京都では、甘く炊いた油揚げをのせたきつねうどんのことは「甘ぎつね」と呼ぶそうです。

口に入る際に、油揚げ、九条ネギが食べやすいようにカット
口に入る際に、油揚げ、九条ネギが食べやすいようにカット

「おかきた」の油揚げは地元の豆腐店で、一枚ずつ手揚げされている肉厚なもの。九条ねぎは出汁がしみこんでも、シャクシャク食感があり、しっかり存在感を発揮します。さらに、香ばしい小麦粉の香りを生かしたこだわりの自家製麺を使用し、ツルッとのど越しよく仕上げています。

のど越しよく仕上げる茹で具合は、長年の経験でわかる!
のど越しよく仕上げる茹で具合は、長年の経験でわかる!

話をさらにうかがうと、京都ではきつねうどんにあんをかけた「あんかけうどん」を、「たぬきうどん」と呼ぶのだそうです。なぜ“きつね”が“たぬき”になるのでしょうか。「あんかけはドロンとしているから、きつねがドロ〜ンと化けてたぬきになった」という説、「あんかけは湯気が出ないため熱くないように見えるけど、口に運ぶと実はアチチ~!となる。だます・化かすからたぬきと言われた」という説があるようです。さすが、京都。粋なシャレがきいています。


「冬の京都は寒さが厳しいため、葛や片栗でとろみをつけて温かさを閉じ込めるよう工夫されてきました。また、舞妓さんや芸子さんがいる置屋さんへ、温かいままうどんを届ける必要もありました」。そんな京都ならではの事情が、うどんにも影響したと考えられます。

しょうがもたっぷり入って、こりゃあたたまる!
しょうがもたっぷり入って、こりゃあたたまる!

「細めの麺とドロッとしたあん、細く刻んだ油揚げとネギが三位一体となって奏でる味わいを、楽しんでもらいたいですね」と北村さん。

大阪の「きつね」と京都の「きつね」、比較するとこんなに違う!
大阪の「きつね」と京都の「きつね」、比較するとこんなに違う!

大阪と京都で、こんなにも違うなんて!「きつね」と「たぬき」の化けっぷりに驚かされた探偵たち。味も見た目も異なるうどん食べ比べの旅に出てみませんか?

知らずに注文するとびっくりしちゃうね
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