スイーツからおみくじまで!?
何でも辛い“激辛商店街”に潜入!
2016/08/01
京都に辛いモノが集まる商店街があるらしいです。どんな場所なのか調査してください!
西日本一面積が小さい京都府向日市。そこに激辛をコンセプトにした商店街があり、近年、話題沸騰中だそうです。その実態を調査すべく、向日市に突撃してみました!
JR京都線の向日町駅を降りると、早速、激辛商店街のキャラクター「からっキー(辛い+ラッキーが名前の由来)」のオブジェを発見しました。
今回、調査にご協力いただくのは、京都向日市激辛商店街副会長の清水さん。この企画の発起人の一人です。早速、清水さんに激辛商店街についてうかがいました。
そもそもの発端は、町おこしとして「名産品などを使わず、市のPRを行う方法がないか」と悩んでいた時に、ふと「向日市とは特にゆかりもない“激辛”をキーワードに何かを仕掛けよう」という案が出されたこと。そこから準備に取りかかり、2009年7月に京都向日市激辛商店街を発足させました。開始当時の加盟店は20店舗足らずでしたが、現在では70店舗が加盟しています。
激辛と言えば食べ物を連想しますが、こちらの商店街では、飲食店以外の業態でも激辛のキーワードがあれば加盟が可能。実際に、クリーニング店では「辛口親父の激辛しみ抜き」、不動産会社では「物件批評激辛コメント、辛口おみくじ」、ガーデニング用品店では「激辛唐辛子 ブート・ジョロキアの種の販売」などの形で参加をしています。また、加盟店の中から激辛料理ナンバーワンを決める年1回のイベント「KARA-1グランプリ」や、世界の激辛料理を食べながら楽しむ「激辛ビアガーデン」などのイベントも好評。激辛商店街のおかげで、市の年間観光客数がこの7年間で3,000人から200,000人まで増えたのだとか!激辛の経済効果、おそるべし!
何はともあれ、激辛料理を食べてみないことには、商店街を知ることはできません。ということで、探偵たちも激辛料理を実食することに。まずは、向日市激辛四天王の一角を担う「激辛担々麺」が食べられる純中国料理「麒麟園」さんへ。
通常の担々麺と激辛担々麺(3辛)の2品を注文してみると、見た目からその差は歴然!とにかくスープが赤いです…。激辛担々麺は、ブート・ジョロキア(ハラペーニョの800倍の辛さとも言われている)をはじめとする4種類の唐辛子や山椒などをブレンドした特別仕様のスープがポイントだそうです。味はというと、味わう前から襲いかかる(!)目や鼻、喉を突き刺すような刺激に悶絶必須。ですが、辛ーい中にも濃厚なゴマの風味や肉味噌の旨味をしっかり感じられて、とてもおいしかったです。ちなみに、のべ4,100人がこの激辛担々麺(3辛)に挑戦しましたが、完食者はたった140名。探偵は3名がかりでおいしく完食しました!
次に、餃子で有名な「珉珉(向日町店)」さんが激辛商店街に参加しているとのことで訪問してみました。こちらのお店では複数の激辛メニューがあり、調理するシェフが防毒マスクを着けて調理を行うほどの超刺激的なメニューが!
辛味のベースはハバネロとバーズアイ、それに豆板醤やチリソースなどを加えたもの。15辛からはブート・ジョロキアとデスソースが加わり、20辛になるとモルガ・スコーピオン(暴動鎮圧などに使う催涙スプレーと匹敵するぐらい刺激的な唐辛子)を使用するのだとか…。この唐辛子は、冷凍していないと見ただけで目が痛くなるそうです…刺激が強すぎます…。
訪問時、激辛炒飯(20辛)に挑戦しているツワモノが…。お話をうかがってみると、わざわざこの激辛料理を食べるために台湾からいらっしゃったとのこと!どうやら、激辛商店街は海外でも認知されつつあるようです。
続いては、KARA-1グランプリ、第2回・第3回チャンピオンの「気ままにダイニング ふうせんかずら」さんを訪問してみました。
こちらのお店は、「激辛」ではなく「ピリ辛」メニューが名物。第2回KARA-1グランプリの優勝メニュー「うま辛チキン南蛮」は、地元産を中心とした素材に、10種のスパイスを調合したソースがアクセントとなる逸品です(レシピや調合比率は門外不出!)。
その他にも「手づくりパン・ケーキ かふぇ くっちーな」さんをはじめとする「激辛×スイーツ」というジャンルのお店もあるのだとか。ご飯ものだけでなく、スイーツも激辛なんて、思っていた以上の激辛バリエーションです!
ハバネロパウダーのかかったはちみつメープルトースト(右)
最後に、激辛商店街の案内所であり、「辛口おみくじ」(向日神社監修)もある不動産会社「Century21すまいる」さんへ。探偵がおそるおそるおみくじを引いてみると…超レアな「大大凶」を引き当ててしまいました!大大凶が出る確率は、なんと1/50!引き当てることができたら「大大凶の人認定証」がもらえます。
今回の調査で分かったことは、地元商店が力を合わせて街を盛り上げているということと、飲食店から不動産会社までも参加している“激辛”の幅広さ。その活気と面白さがウケ、町の方はもちろん、海外からも観光客が訪れる大人気商店街となったのでしょう。向日市では、9月に「激辛ワールドフェスタ」を開催します。さらに、今年で第5回目のKARA-1グランプリは、初の関東進出を果たし、千葉県幕張で開催されるなど、激辛商店街のイベントが目白押しです。激辛商店街の名が、全国に轟く日もそう遠くないのかもしれませんね。