イタリアの皆さんは、朝にどんなものを食べるんですか？

毎朝欠かせないのは、目覚めの濃～いエスプレッソですね。エスプレッソに合わせて食べるメニューは人それぞれなのですが、私のおすすめは「フェッテ ビスコッターテ」です。

フェッテ ビスコッターテとは、小さなトーストのような形をした、固めのパンです。食感はサクサクとしていて、日本でもおなじみのラスクに似ていますね。でもラスクのように甘くはないので、ラズベリーやブルーベリーなどのジャムやヘーゼルナッツのペーストなどをたっぷり塗って食べるのが定番です。サクサクとしたビスケットのような食感のフェッテ ビスコッターテに甘いジャムをたっぷり塗って食べると、朝から幸せな気分になりますね。

甘～いフェッテ ビスコッターテと、濃くて香り高いエスプレッソは最高の組み合わせです！イタリアの人たちにとっては、朝食といったら甘いものなんです。だから日本へ来て、日本の人たちが朝食に味噌汁や梅干しを食べているのを見たときは驚きましたよ。

甘いものを食べながらコーヒーを飲むなんて、素敵ですね。

ジャムを塗って食べるのもおいしいですが、フェッテ ビスコッターテをエスプレッソに浸して食べるのもおすすめですよ。イタリアではおなじみの食べ方で、サクサクの食感に苦味がプラスされて、ジャムをつけて食べるのとはまた違った味わいが楽しめます。

「エスプレッソの苦みがちょっぴり苦手」という人には、エスプレッソにミルクをたっぷり入れたカフェラテもおすすめ。ほんのり甘く、まろやかな口あたりになるんです。

カフェラテにパンを浸して食べる人も多いのだとか

エスプレッソは、家庭でも飲むんですか？

もちろん飲みますよ！イタリアでは、どこの家にも「マキネッタ」というエスプレッソをつくる器具があるんです。マキネッタは小さなやかんのような形をしていて、挽いたコーヒー豆と水を入れて直火にかけるだけで、エスプレッソが手軽につくれるんですよ。わが家でも家族みんながそれぞれ自分好みの豆をセレクトして、一日に3、4杯はエスプレッソを飲んでいますね。

イタリアでは、マキネッタを長く使い込むほど味や香りがなじんで、おいしいエスプレッソができるといわれています。そうとは知らず、子どものころ、私は母が使い込んでいたマキネッタを新品のようにピカピカに磨いてしまったんです！母に叱られたのが、懐かしい思い出です。

直火にかけてエスプレッソを抽出するマキネッタ

マキネッタでつくるエスプレッソ、とてもおいしそうです！フェッテ ビスコッターテとエスプレッソ以外にも、おすすめのイタリア料理をぜひ教えてください。

それでは、私の出身地ジェノヴァの名物料理をご紹介しましょう！港町ジェノヴァでは、地中海でとれた新鮮な魚介類がいつでも手に入るので、魚料理のバリエーションが豊富なんです。たとえばイワシのマリネは前菜としてよく食卓に上りますよ。三枚におろした生のイワシにオリーブオイルをたっぷりとかけ、レモンを絞って食べます。イワシのうまみとレモンの酸味が相性抜群なんです！

ほかには、「カッポン・マーグロ」もおすすめ。白身魚と、トマトやゆでたジャガイモなどの野菜をミルフィーユ状に重ねます。その上から、パセリとビネガー（酢）を使った特製ソースをかけ、お好みでエビやタコなどの魚介類をたっぷり乗せて食べるんです。ボリュームたっぷりで見た目も華やかな一品です。イタリアンレストランで見かけたらぜひ食べてみてください。

彩り鮮やかな「カッポン・マーグロ」を、ぜひお試しあれ！

暑い季節には、いろんな具材が入ったイタリアンサラダもおすすめですね。ゆでたジャガイモやインゲン、アンチョビ、トマトなどを食べやすい大きさに切り、オリーブオイルとビネガーで和えるんです。夏バテして食欲のないときもさっぱりしたサラダならたくさん食べられますよ。

食後にはもちろんエスプレッソを飲みながら、家族や友人との団らんを楽しみます。週末は、食後に家族みんなでジェラートのお店によく行きますよ。新鮮な材料を使ったクリーミーなジェラートはどれも絶品！私の最近のお気に入りは、「ザバイオーネ」というカスタードクリームのような味のジェラート。ティラミスなどにも使われる、シチリア島名産の「マルサラ酒」が香る大人な味わいで、食後のデザートにぴったりです。ジェラートとエスプレッソの組み合わせもおすすめなので、イタリア料理を楽しんだあとに、ぜひ試してみてくださいね！

イタリアには、街のあちこちにジェラートのお店があるのだそう