ガーナ共和国
アフリカ大陸西部に位置し、緯度0度、経度0度が交わる「世界のへそ」に一番近い常夏の国。チョコレートの原料となるカカオの名産地で、日本で消費されているカカオ豆の約7割はガーナから輸入しています。
- 今回の旅のパートナー
ガーナ共和国・オブアシ出身で、現在は兵庫県伊丹市にある「クロスロードカフェ」のシェフ。お客さんから「アラジ」の愛称で親しまれているオポンさんと一緒に、ガーナの朝食をメダアシ(いただきます※「神に感謝を」の意)♪
ガーナの皆さんはどんな朝ごはんを食べるのですか?
私の村では、「バンクー」をよく食べています。バンクーは、ガーナをはじめアフリカ全土でポピュラーな主食で、食感や味は、日本のお餅に似ているんですよ。地域ごとにつくり方は少しずつ違うのですが、トウモロコシ粉とタピオカのもとにもなるキャッサバ粉を発酵させ、水で練ったものを丸めてゆでるのが一般的です。ガーナでは、家族みんなが食べるバンクーを大きな塊でつくり、少しずつちぎって分けながら、おかずと一緒に食べたりスープにひたしたりして食べます。バンクーと一緒に食べるおかずは、揚げた魚やスパイシーチキンが定番です。このように朝からしっかり食べるのがガーナの食事スタイルですね。私は子どものころからバンクーが大好物で、日本の皆さんにも食べてもらいたくて店のメニューに加えています。
朝から食欲をそそりますね!おかずについてもう少し詳しく教えてください。
はい、魚や肉、野菜を使ったさまざまなメニューがありますよ。特に揚げ物が多いです。私はカリッと揚げた魚にソースを添えたおかずが好きでよく食べていました。ソースは、玉ねぎやパプリカをこまかく切って唐辛子や塩と和えて食べることが多かったです。ガーナでは、スパイスをきかせたピリッと辛いおかずが多いですね。ガーナは、都市部と地方でメニューが異なり、都市部では西洋的な朝食も珍しくありません。一方、地方の村では、その地域で入手できる食材を使った料理がならびます。私が育った村では7家族が共同で生活していましたが、食事は全員でとるのが普通で、みんなが協力し合って調理するんです。
ちなみに、ガーナにはバンクー以外にもさまざまな主食があるんですよ。主食=お米が主流という日本の方は、驚かれるかもしれませんね。
どんな種類があるのか、詳しく教えてください!
ガーナにはトウモロコシだけではなく、さまざまな原料の粉があり、調理法もそれぞれ違うので、多くの主食があるんですよ。たとえば、イモやバナナなどを発酵させた粉を原料にした主食「フフ」。お湯と粉を混ぜ、よく練りながらまとめます。食感はバンクーと同じくお餅に似ていますが、味はまろやかなイモの味です。ほかにもトウモロコシ粉を使った「ケンケー」は、お餅のように丸めてからバナナの葉で包んで発酵・熟成させるので、酸っぱくて少しクセのある味になります。このように、ガーナでは発酵した食材をよく使います。一年中暑いので、保存するための知恵ですね。
また、お米も古くから食べてきました。「オモトゥオ」というおにぎりのようなものもありますし、「ワチ」という豆の炊き込みごはんもガーナの名物料理なんですよ。黒インゲン豆を使うことが多く、日本の赤飯と具材やつくり方が似ていますね。調理の手間がかかるワチはレストランなどで食べるのが一般的です。皆さんもガーナを訪れた際は、バンクーをはじめとしたいろんな主食を食べ比べてみてください!