ポルトガル共和国
北大西洋に面したヨーロッパ最西端の国。首都リスボンの西部に位置する観光スポットのひとつ、ベレン地区はかつてポルトガルの主要な港でした。15~17世紀に大西洋やインド洋に進出した「大航海時代」を象徴する建造物が多く見られます。約300年をかけて完成した「ジェロニモス修道院」は世界遺産にも指定されています。
- 今回の旅のパートナー
2007年にボランティア活動ではじめて日本を訪れたジョゼさんは、結婚をきっかけに日本で暮らすことに。もともと料理が好きだったため、大阪のフレンチ料理店で2年間修行したあと、2010年11月に自身がオーナーシェフを務める「Lisboa」をオープン。今回はそんなジョゼさんとともに、ポルトガルの朝食をボン・アペティトゥ(召し上がれ)♪
ポルトガルレストラン「Lisboa」のホームページはこちら
ポルトガルの皆さんは、朝にどんなものを食べるんですか?
ポルトガル人はパンが大好きで三食欠かさず食べています。いろんなパン料理がありますが、中でも朝食によく出てくるメニューは「トースタ・ミスタ」です。「トースタ」はホットサンド、「ミスタ」は「ミックス」の意味で、トースタ・ミスタはいろいろな具材をはさんだホットサンドのこと。子どものころ、ハムとチーズを入れたトースタ・ミスタをホットサンドメーカーでよく手作りしていました。たっぷりチーズを入れてアツアツの焼き立てを食べると、とってもおいしいんですよ。カフェで朝食をとるときは、トースタ・ミスタと一緒においしいエスプレッソを注文します。お店ごとにパンや具材が違っているので、お気に入りのカフェを探すのも楽しいですよ。
ポルトガルの人はパンが大好きなんですね!トースタ・ミスタにはどのようなパンを使っているんですか?
トースタ・ミスタには、大きくてずっしりと重いパンをカットして使っています。ポルトガルのパンは、小麦だけでなく、ライ麦やトウモロコシなど、さまざまな穀物を使った比較的大ぶりなものが多いです。パンが大きい理由は、ポルトガルのかつての風習が影響しているんですよ。今のようにカフェやベーカリーが一般的になる前は、村ごとに窯を共用していて、母親たちが家族分のパンを焼いていました。いつでも焼けるというわけではなくて、窯に火を入れるのは週に一回。家族全員の一週間分のパンを一度に焼くため、どうしても一つひとつのパンが大きくなってしまったそうです。毎度の食事で切り分けて食べますが、日が経つと固くなってしまうので、いろいろとアレンジしておいしく食べる方法が生まれました。例えば、トースタ・ミスタや揚げパンなどは今でもよく食べられていますね。
窯で焼いた焼き立てのパンはとってもおいしそうですね!おかずにはどのようなものを食べるんですか?
イワシの炭火焼きを、塩とオリーブオイル、レモンの絞り汁をかけてよく食べていましたね。ポルトガル料理は、こだわりの新鮮な食材を使ってシンプルな味つけで調理します。そして、実はポルトガル人はお米が大好き。ヨーロッパで一番お米を消費する国なんです。魚のだしで炊く「アホーシュ・デ・マリシュコ」、トマトスープで炊く「アホーシュ・デ・トマト」など、リゾットのような料理がたくさんあって、どれも絶品ですね。ちなみに、お米料理が出されるときも、ポルトガルではパンが添えられているんですよ。