知るほど、なるほど、好きになる 朝ごはん世界紀行

No.007ロシア

ブリヌイ

クレープのようなもちもちした生地を、三角に折りたたんで食べるブリヌイ

クレープのようなもちもちした生地を、三角に折りたたんで食べるブリヌイ

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ロシア連邦

ロシア連邦ロシア連邦

ユーラシア大陸の北部に位置する、世界で一番国土の広い国です。その面積は、なんと日本の45倍!ロシアの観光名所といえば、世界遺産にも登録されている「クレムリン」が有名ですね。首都・モスクワの川沿いに建つ、旧ロシア帝国の宮殿で、現在はロシア連邦の大統領府や大統領官邸が置かれています。

  • 今回の旅のパートナー
  • 大阪府国際交流財団 企画員 シェムベルコ・アンドリアンさん
大阪府国際交流財団 企画員 シェムベルコ・アンドリアンさん

日本のアニメに魅せられて、日本語通訳の道を目指すべく4年前に来日。日本語の方言をテーマにした研究活動に取り組みながら、大阪に住む外国人をサポートする団体「大阪府国際交流財団」に企画員として勤務しています。日本のカレーが大好きというアンドリアンさんとともに、ロシアの朝食をプリアツノゴ・アッペティータ(召し上がれ)♪

ロシアといえば、ボルシチのような温かい料理が思い浮かびます。朝食にはどんなものを食べるんですか?

ロシアは国土が広く多民族国家なので、食べる物も人や地域によってさまざまです。代表的な朝食といえば「ブリヌイ」ではないでしょうか。ブリヌイは、薄く焼き上げた生地を三角に折りたたんで、練乳やジャムなどを塗って食べるロシア風のクレープです。ブリヌイの生地は、小麦、オーツ麦、米などいろいろな穀物の粉で作られています。ロシアを舞台にした映画やドラマでは、朝食のシーンにブリヌイがよく登場しているんですよ。

ロシアの家庭で、朝食によく食べられるブリヌイ

ロシアの家庭で、朝食によく食べられるブリヌイ

本当にクレープみたいですね!ブリヌイは昔からよく食べられているんですか?

そうですね。ブリヌイは朝食だけではなく、ロシアで昔から続く「マスレニツァ」というお祭りでも食べられているんですよ。マスレニツァは春を迎えるための行事で、雪解けが始まる2月末頃に行われます。冬を象徴する藁のかかしを広場の真ん中で燃やし、太陽に見立てた丸いブリヌイを食べるのが伝統なんです。子どもの頃に参加した地元のマスレニツァでは、いろいろな人が家で焼いたブリヌイを持ち寄っていました。甘い練乳を塗ったブリヌイがとてもおいしかったことを思い出しますね。

ロシアの伝統的なお祭り「マスレニツァ」で、かかしを燃やしている様子

ロシアの伝統的なお祭り「マスレニツァ」で、かかしを燃やしている様子

お祭りで食べるブリヌイは一段とおいしそうですね!最近では、どのような食べ方が流行っていますか?

最近では、定番の食べ方以外にも、具材や包み方などをアレンジしたブリヌイが流行っています。レシピサイトやSNSなどでも、たくさん紹介されていますね。私の伯父も、インターネットで見つけたレシピを参考に、ブリヌイと魚、野菜をミルフィーユ状に重ねた料理を振る舞ってくれました。とてもおいしかったです!また、野菜やお肉などの具材を巻いたブリヌイが食べられるファーストフードのチェーン店もあるんですよ。もしロシアを訪ねる機会があれば、ぜひトライしてみてください!

アンドリアンさんの伯父さんが作ったブリヌイの創作料理。おいしそう!

アンドリアンさんの伯父さんが作ったブリヌイの創作料理。おいしそう!

大阪府国際交流財団 企画員 シェムベルコ・アンドリアンさん
  • 朝食には、米やオーツ麦、蕎麦の実を牛乳で煮た料理「カーシャ」もよく食べられています。私が生まれ育った北極海沿いの地域では、鹿肉のソーセージも定番でした。来日して驚いたのは、日本の料理はどこか懐かしく優しい味で、どれもロシア人の私の好みだということ!日本の方も、きっとロシアの料理を好きになってくれると思います。それでは、ド・フストレーチ(さようなら)♪