フィンランド共和国
北欧諸国のひとつで、国土の7割が森林、数多くの湖が点在する自然豊かな国です。国土の3分の1が北極圏に位置するフィンランドでは、冬になると厳しい寒さが続き、地域によっては-40℃まで下がることも。最北のラップランド地域では、オーロラを見られる日が1年のうち約200日もあるのだとか。また、フィンランドのサンタクロース村やムーミンワールドでは、日本でもおなじみのキャラクターと会うことができ、観光スポットとして大人気です。
- 今回の旅のパートナー
博士課程で理論物理学を専攻するかたわら、語学教室でフィンランド語講師としても活躍中。「フィンランドの自然も素晴らしいけれど、季節によって移り変わる日本の自然も美しくて大好き」と話すパーソネンさんとともに、フィンランドの朝食をヒュヴァー・ルオカハルア(召し上がれ)♪
語学教室ANCのホームページはこちら
フィンランドといえば、おしゃれな北欧雑貨が思い浮かびますが、朝ごはんにはどんなものを食べるんですか?
フィンランドでは、朝食として「プーロ」というお粥のようなものをよく食べています。プーロは穀物を牛乳で煮込んだ食べ物のことです。よく使用される穀物はオーツ麦、ライ麦、小麦、大麦など。スーパーマーケットではシリアルと同じようにいろんな種類が売られていて、好きなものを買って家で作ります。一番人気があるのは、先ほど挙げた4種類の穀物をミックスしたものですね。プーロの作り方はとてもシンプルで、牛乳か水、それに少しの塩を合わせて穀物を煮込むだけなので、手軽に作れてとても便利です。最も伝統的な味付けは、バターをひと切れ乗せて溶かすだけの簡単なものですが、最近はいろいろとアレンジされています。砂糖やハチミツ、ジャムなど、甘めのトッピングが特に人気ですね。フィンランドの子どもたちは、少しとろみのあるベリーのソースをかけるのが大好きです。
とてもシンプルで、ヘルシーな朝食ですね!プーロは、昔からフィンランドで食べられていたんですか?
そうですね、保存食の穀物を使用するプーロは、長くて厳しい冬の間の食事としてよく食べられていたそうです。さらに、食物繊維やカルシウム、タンパク質などの栄養もしっかり摂れ、作り方も簡単です。そのため、手軽でヘルシーなメニューとして現在まで親しまれてきたのだと思います。ちなみに、伝統的なプーロのレシピのひとつには、お米を使った「リーシプーロ」と呼ばれるものもあるんですよ。使用するお米は、丸みを帯びたモチモチとした食感が特徴です。フィンランドでは、クリスマスに作る定番のごちそうですね。
クリスマスにお米のお粥なんて、意外な組み合わせですね。ところで、最近流行っている食べ方はありますか?
最近では、穀物とヨーグルトを混ぜて、火を入れずに一晩置いたものを冷たいまま食べる「ラーカプーロ」が人気です。「ローフード(酵素を摂るために、素材を加工せず生で食べる方法)」の流行もあって、よく食べられているようですね。また、プーロに栄養価の高いナッツや卵をトッピングするアレンジも増えています。いろいろなプーロを紹介しましたが、僕はシンプルな温かいプーロが一番好きです(笑)。プーロは家庭で食べられることが多いですが、フィンランドを訪れた際には、ホテルの朝食でも食べられるのでぜひ試してほしいですね!