Vol.21
2023.11.06
「慣れ親しんだわが家に、いつまでも住み続けたい」と思われたことはありませんか。今回は、年を重ねてからも安全・快適に暮らせるわが家にするために、今から考えておきたいポイントをご紹介します。実際に不便を感じてからリフォームを考え出すと、急場しのぎになり十分な対策ができない場合があります。これからの暮らしに備えて、バリアフリー住宅へのリフォームについて考えてみませんか。
もくじ
「バリアフリー」とは、「バリア(障壁)」+「フリー(取り除く)」という意味で、住まいのバリアフリー化とは、室内の段差など生活する上での危険や不便さを解消することです。バリアフリー化することで、ご高齢の方や障がいのある方だけでなく、ケガや病気をしたときや小さなお子さんも過ごしやすくなります。
今はまだ不便がなくても、年齢を重ねるとちょっとした段差でもつまずくなど、家のあちこちに危険がひそんでいます。いつまでもわが家で安心して暮らすために、バリアフリーを意識した住まいについて考えてみましょう。
年齢を重ねても暮らしやすい家とはどのような住まいなのでしょうか。
まずあげられるのが、できるだけ段差のないフラットな空間であるということ。年齢を重ねるにつれ、廊下から部屋に入るわずかな高さの違いでもつまずいて転倒する可能性が高まります。また、将来車椅子や介護が必要になったときを想定した広い動線スペースの確保や、スムーズに開け閉め・出入りできる扉の設置なども、心がけておきたいポイントです。
段差をなくしてつまずきを防止
人が通りやすい生活スペース
開閉しやすく出入りしやすい扉
フラットで広いスペースにしたリフォーム事例
ぜひバリアフリーの視点でご自身のおうちを見まわり、危険なポイントがないか、見直してみてください。
次の章では、バリアフリーに向けての具体的なリフォームについて場所別にご紹介します。
滑りやすい床や浴槽の高低差による転倒、暖かい部屋との温度差によるヒートショックなど、年齢を重ねるにつれ、浴室は危険をともないやすい空間となります。さらに、ひとりで使用することが多く、事故が起きても気づいてもらいにくい場合も。
安全な浴室にするためには、次のようなことを意識してリフォームをするのがおすすめです。
・滑りにくい床
足を乗せたとたん転倒してしまわないように、滑りにくい素材に。
・またぎやすい浴槽
浴槽に入るときに高低差があると、転倒してしまう危険性も。高低差が小さいまたぎやすい浴槽だと、安心して入浴ができます。
・冷えすぎない浴室
温度差によるヒートショックを起こさないために、浴室が冷えすぎないよう断熱性・保温性にすぐれたシステムバスへ。加えて、浴室を暖めておける浴室暖房をつけておくと安心です。
バリアフリー対策をした浴室リフォーム事例
毎日使うキッチンだからこそ、安心して快適に使える場所にしたいですよね。足もとが不安定になったときのために、滑りにくい床やクッション性の高い床に変更しておくと安全性が高まります。また、出し入れしやすい収納、スムーズに水が出せる水栓など、使いやすさを考慮した設備や機能を取り入れると家事がしやすくなり、将来にわたり快適にキッチンが使えそうです。
台所用品の出し入れをスムーズにする電動昇降吊戸棚
操作しなくても水が出るタッチレス水栓
暮らすほどに愛着の深まるわが家だからこそ、加齢にともなう変化にもうまく対応して長く住み続けられたら素敵ですね。これからのことを想像しながら、暮らしやすくするために住まいを見直してみませんか。
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