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屋上サイクリングで発電。スウェーデンに設立される、カーボンニュートラルな博物館
来場者が、施設のサステナブル運営に「物理的に貢献」できる──そんな新しい科学ミュージアムが、2024年、スウェーデン南部の都市・ルンドにオープンする予定だ。
来場者は、屋上に設置された自転車「エナジーバイク」に乗車、ペダルをこぐことによってミュージアムの電力を発電する。これにより、カーボンニュートラルなミュージアム運営に貢献できるという仕組みだ。(ミュージアムの屋根を覆うソーラーパネルでも十分な量の発電を行っているので、自転車のこぎ手がいなくても停電することはない。)デザインを手がけたのはデンマークの建築会社COBEである。彼らが自転車発電の仕組みを取り入れたのは、「難しくとらえられがちな自然科学を、もっと身近なものにしたい」という想いから。子どもから大人までたくさんの人が楽しみながら自然科学に興味を持てるようにと、遊び心のある方法を採用したのだそうだ。
ミュージアム建設予定地の一帯は、ルンド北東部で新たに「サイエンスビレッジ」として発展が進められている区画。ミュージアムは2つの最先端研究施設に挟まれる位置に建設される予定である。ectogridシステム(ドイツのエネルギー会社E.ONが開発した、複数の建物間でエネルギーバランスをとる技術)により、両隣の研究施設で発生した過剰な熱はミュージアムの空調に利用されるとのことだ。
美しい自然の力と、その自然を守るために人間が使える力──どちらも身近に体感することができるミュージアム。2024年の完成が楽しみである。
Text by 木原優佳
この記事は、2019年8月7日に書かれたものです。