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オランダのアイントホーフェン工科大学ecomotive研究チームは、車体にプラスチックと金属を使わない、世界初の自然素材でできた車“Noah”を開発した。
Noahはシティカーとしてデザインされた2座席の電気自動車で、後部には大きなトランクもある。最高時速は110kmで、航続距離は240kmだ。重量は360kgと、通常の車の半分に抑えられている。

いま世界では、気候変動や大気汚染問題解決に向けて、さまざまな取り組みが行われている。自動車業界では電気自動車がその筆頭で、普及拡大に向けた技術開発が急ピッチで進んでいる。そんななか、研究チームが注目したのは、車のパーツの素材だ。
この車のパーツは、オランダのジョイントベンチャー企業Total Corbion PLA社が開発した自然由来原料のポリ乳酸(以下、PLA)製品“Luminy”と、天然の亜麻繊維からなるサンドイッチパネルでつくられており、超軽量で強度に優れている。同社はLuminyを熱して、耐久性と耐熱性を高めることに成功した。
これらのパーツを車のフレームやボディに使ったNoahは、リサイクルできる循環型の車だ。プラスチックや金属を使用した従来の車に比べて、炭素排出を大きく削減する。

Total Corbion PLA社のシニア・マーケティングディレクターであるフランソワ・デ・ビ氏は、こう語っている。「このプロジェクトの成功は、自然素材使用の大きな進歩につながるだろう。Noahは、PLAが従来の構造に比べて、車のパーツにより適しているということの証明になる。この車の性能のさらなる改善と、市場への合致に努めていきたい」
自然由来のPLAを使ってアイントホーフェン工科大学が開発した、プラスチックや金属を使わない持続可能な車Noah。今後のさらなる開発が期待される。

Text by クリューガー量子