知るほど、なるほど、好きになる 朝ごはん世界紀行

No.020パキスタン

チャナとパラタ

パキスタン・イスラム共和国
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  • パキスタン・イスラム共和国パキスタン・イスラム共和国
  • 南アジアに位置し、世界四大文明の一つとして知られるインダス文明発祥の地。北部には、カラコルム山脈が続く美しい町ギルギットがあり、インダス川に映る山々の絶景は、訪れる人を魅了し続けています。
ひよこ豆がたっぷり入ったスパイシーなカレー「チャナ」と、香ばしい「パラタ」は相性抜群!

ひよこ豆がたっぷり入ったスパイシーなカレー「チャナ」と、香ばしい「パラタ」は相性抜群!

  • 今回の旅のパートナー
  • パキスタンレストラン「Ali’s Halal Kitchen」
    イリヤス・アリさん
  • 自国のレストランで働いていたアリさんは、2001年に知人とともに来日し、シェフとして活動。現在は自分のお店を持ち、自慢の腕を振るっています。今回はそんなアリさんとともに、パキスタンの朝食をカイエ(召し上がれ)♪
パキスタンレストラン「Ali’s Halal Kitchen」
イリヤス・アリさん

パキスタンではどんな朝ごはんを食べるんですか?

チャナというカレーと、パラタというパンを食べることが多いですね。チャナは、玉ねぎとトマトを炒め、数種類のスパイスを組み合わせてじっくり煮込みます。メインの具となるひよこ豆をたっぷり入れるのがポイントですね。私の店で出しているチャナは日本人向けにマイルドな味つけにしていますが、後からゆっくり辛さがくるんです。パキスタンならではの味つけで、店の人気メニューになっていますね。

パラタは、小麦粉と水を混ぜて形を作り、油で揚げたもの。フライパンでさっと揚げるだけなので、お手軽料理としてよく家庭で作ります。パラタのほかに、ロティやナンというパンもよく食べられますね。調理法によって呼び方が違いますが、どれもおいしくてチャナとよく合うんですよ。

小麦粉と水を混ぜて油で揚げたパラタ(左)、揚げずに焼いたロティ(中央奥)、小麦粉に卵や牛乳、ゴマを練り込んで釜で焼いたナン(右)

小麦粉と水を混ぜて油で揚げたパラタ(左)、揚げずに焼いたロティ(中央奥)、小麦粉に卵や牛乳、ゴマを練り込んで釜で焼いたナン(右)

野菜をスパイスで煮込んだカレーとおうちで焼いたパン、朝から元気が出そうですね!ほかにも、パキスタンの皆さんがよく食べているものを教えてください!

ヤギの肉を使った「パヤ」という料理もよく食べています。ヤギの足首あたりの肉を骨ごと煮込んで作るスープで、ナンと一緒に食べるのが一般的ですね。パキスタンは、国民のほとんどがイスラム教徒のため豚肉とお酒を口にすることがなく、牛肉や鶏肉、羊肉やヤギの肉を食べています。肉料理を作るときは、肉の臭みを取るためヨーグルトを料理に使うことが多いです。ヨーグルトは店で手作りしていて、よりおいしく食べていただけるように、日々試行錯誤をくりかえしています。

じっくり煮込んだヤギの肉が味わえるスープ「パヤ」

じっくり煮込んだヤギの肉が味わえるスープ「パヤ」

最近のパキスタン料理の流行はありますか?

野菜を中心としたヘルシーな食事も、最近は人気が出ているそうです。パキスタンは、働く人の約半分が農業に従事している農業大国で、新鮮な野菜がたくさん食べられます。パコラという、玉ねぎやじゃがいもなど、いろいろな野菜を使ったかき揚げを入れたカレーも人気です。ほかにも、煮込んでスープにしたり、焼き野菜にしたり、野菜の調理法もさまざま。パキスタンを訪れた際は、カレーとパラタの組み合わせはもちろん、ヘルシーな野菜の料理もぜひ試してみてくださいね!

しっかり朝ごはんを食べて、農作業に精を出すパキスタンの人々

しっかり朝ごはんを食べて、農作業に精を出すパキスタンの人々

  • カレーのつけ合わせとして、「バースマティライス」というお米も食べます。ふっくらしている日本の米とは違って、パラパラした食感なのでスープを吸わず、カレーとの相性が抜群なんですよ!それでは、ア・ラ・ハフィズ(さようなら)!
パキスタンレストラン「Ali’s Halal Kitchen」
イリヤス・アリさん